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沖縄防衛局長が辺野古アセス提出をレイプにたとえる発言

2011/11/30

沖縄防衛局の田中聡局長が、11月28日夜、那覇市の居酒屋における報道陣との非公式の懇談中、辺野古の環境影響評価書の提出時期について明言を避けていることについて問われ、「これから犯す前に犯しますよと言いますか」と発言したことが明らかになりました。

田中局長はさらに、1995年に発生して大きな怒りを引き起こした少女に対する性暴力事件の際、当時のリチャード・マッキー米太平洋軍司令官が「犯行に使用した車を借りる金があれば、女を買えた」という発言についても「その通りだと思う」と肯定する発言をしていました。また、400年前の薩摩藩による琉球侵攻について、「琉球に軍がいなかったから攻められた。基地のない、平和な島はあり得ない。沖縄が弱いからだ」などと話したと報道されています。

12月7日に那覇で開催された「沖縄侮辱発言と米軍基地の押し付けを許さない女性たちの抗議集会」の声明を掲載させていただきます。

前沖縄防衛局長の県民および女性に対する侮辱発言に抗議し、政府の真の謝罪として辺野古新基地建設の撤回を求めます

11月28日夜、辺野古新基地建設への環境影響評価書の提出時期を問われた田中聡前沖縄防衛局長が、「犯す前に犯しますよと言いますか」、と発言しました。環境影響評価書を提出する沖縄県を女性に例え、その女性の意思と自己決定権を奪い支配する性暴力を肯定した暴言です。政府は、不適切発言であると前沖縄防衛局長を「更迭」し、一日遅れの野田首相の謝罪、防衛省事務次官の沖縄県知事への謝罪、さらに12月2日には防衛大臣自身の県民、女性への「謝罪」を県知事に表明しました。

しかし、2009年8月以降の新政権も前政権同様に米国政府の圧力の前に、県民総意で明確に示す反対の意思をねじ伏せ、辺野古新基地建設を強行しようとしています。前沖縄防衛局長の発言は、政府の長年にわたる沖縄への強引な基地建設の押しつけの姿勢そのものを見事なまでに言い表しています。
沖縄県民、女性への謝罪を示したかに見える政府の行動は、沖縄への差別的本質を必死で隠蔽しようとするものでしかありません。「謝罪」の言葉を発し、表面的には「県民のご理解を求める」と繰り返しても、舌の根も乾かない内に“環境影響評価書の年内提出は予定通りである”と繰り返しているからです。
加えて、立て続けに起こる沖縄に対する不適切な発言と沖縄に対する無理解な発言をした一川防衛大臣を任命した野田総理の責任が問われています。

アジア太平洋戦争末期の米軍の沖縄上陸以来今日まで、止むことのない米兵による性暴力及び、基地あるが故の事故、事件、爆音や環境破壊が起こり続けています。そこには、生後9カ月の乳児からお年寄りまで、年齢、場所、時間を問わず武器を持ち歩く米軍兵士の残忍極まりない性暴力に心身ともに傷つき、あるいは惨殺された数多くの県民の存在がありました。
施政権返還後も、日本政府による第一次裁判権の放棄という「密約」や対米従属の「日米地位協定」が、犯罪者を罰することなく野放しにし、沖縄県民に多大な犠牲を強いています。
よって前沖縄防衛局長の県民および女性に対する侮辱発言に抗議し、政府の真の謝罪として、辺野古新基地建設の撤回を求めます。
 
2011年12月7日
沖縄侮辱発言と米軍基地の押し付けを許さない女性たちの抗議集会

【報道】
●「沖縄防衛局:「犯す前に言うか」田中防衛局長 辺野古評価書提出めぐり」毎日(11/29) ●「沖縄防衛局長更迭 アセスめぐり女性誹謗」沖縄タイムス(11/30)

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