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アルゼンチン:画期的ジェンダーアイデンティティ法が成立

2012/05/14

アルゼンチンで5月10日、司法審査を経ることなく、性別を変更する権利をみとめるジェンダー・アイデンティティ法が50対0で可決されました。
 アルゼンチンは2年前にラテンアメリカで初めて同性婚を合法化しており、LGBT活動家たちは、次のステップとして、同法案の成立に尽力していました。
 同法では、ジェンダー変更のための手術やホルモン治療の費用を、公的・民間健康保険でカバーすることも定めています。
 クリスティーナ・フェルナンデス大統領は、この法案はマイノリティの人権を守るものだが、軍政下における人権侵害の歴史をもつ同国にとって、根本的に価値あるものだと述べました。
 トランスジェンダー活動家によれば、同法は、性別を変更するにあたり、性転換手術など、いかなる身体的な性別変更も前提条件としていない点で、世界的に見ても画期的といえます。
 ただ異なるジェンダーで生きたいと望む本人の意思だけに基づいて、性別変更が権利として認められるべきとするこの法律は、新しい国際基準として、世界のすべての国のモデルとなるものだと、活動家たちは話しています。
 日本における法制度の見直し論議にも刺激をあたえることが期待されます。

【報道】
●AP(5/10)Argentina Makes Sex-Change Surgery a Legal Right ●AP(5/10)Argentina Gender Rights Law: A New World Standard

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