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30年前の性的虐待に賠償命令:釧路PTSD訴訟

2014/09/29

 幼少期に親族の男性から性的虐待を受けたことによりPTSD(心的外傷後ストレス障害)、うつ病などの精神障害を発症したとして、最後の被害から20年以上が経過した2011年、北海道釧路市出身の女性が親族の男性に3269万円の損害賠償を求めた裁判の2審で、札幌高等裁判所は1審判決を変更し、男性に3039万円の支払いを命じました。
 2013年4月の1審判決は、PTSDとうつ病を一連の症状と判断。最後の加害行為があった1983年から起算し、すでに除斥期間(※)を過ぎているため損害賠償請求権は消滅しているとして女性の訴えを棄却しました。
 今回、2審判決は、PTSDの発症については一審同様除斥期間が過ぎているとしましたが、うつ病については潜伏期間があるとして、発症した2006年を除斥期間の起算点とするのが相当と判断。除斥期間は経過しておらず男性には賠償する義務があるとしています。
 判決後、原告の女性は「今回の判決をきっかけに、子どもへの性的虐待の厳罰化や被害者の救済が進むことを願う」と話しました。また原告側の弁護士は「裁判所が性的虐待の特殊性を認め、長い年月がたって発症したうつ病を損害として認める判断をしたことは画期的だ。この判決によって、これまで泣き寝入りしていた被害者が声をあげられるようになればよい」と話しています。

※除斥期間:賠償を請求できる期間を加害行為から起算して20年までとする民法724条の規定

【報道】
NHK(9/25)性的虐待 2審で賠償命令
朝日(9/25)「性的虐待でうつ病」3千万円支払い命じる 札幌高裁

【参考】
性暴力被害者に正義を:司法制度改革キャンペーン

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