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第60回女性の地位委員会(CSW60)開催

2016/04/01

2016年3月14日~24日、第60回女性の地位委員会(CSW60)が、ニューヨークの国連本部で開催された。

CSW60の優先テーマは「女性のエンパワーメントと持続可能な開発」だった。2015年9月に今後15年間の新たなロードマップとなる「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が国連総会で採択されてから初のCSWとなった今年は、「持続可能な開発目標(SDGs)」の各ゴールについて、どのようにジェンダー課題を主流化していくのかや、ゴール5「ジェンダー平等と女性のエンパワーメント」をどう達成するのかなどについて討議された。

また今年は、2013年のCSW57における「女性と少女に対するあらゆる暴力の撤廃および防止」の合意に対するレビューも行われた。このレビューは10カ国(ブラジル、中国、コスタリカ、エジプト、エストニア、日本、ルーマニア、スウェーデン、チュニジア、トルコ)が行っている。

日本政府代表として、武藤容治外務副大臣が閣僚級ラウンドテーブルに出席した。3月15日には日本政府のステートメントを発表。ステートメントでは、ここ最近、日本政府が女性に関する国際的な会議で常にアピールをしている「すべての女性が輝く社会」(”a society where all women shine”)政策を再び強調した。また、2015年度末に閣議決定した「第4次男女共同参画基本計画」や、2016年4月1日から施行される「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)」によって、日本におけるジェンダー平等と女性のエンパワーメントは更に高いレベルとなると述べた。加えて、「女性が輝く社会」を世界中に広げたいとし、「女性活躍」の妨げとなる貧困、紛争、暴力、差別、自然災害問題への挑戦が必要だと訴えた。なお、日本政府は2015年からの3年間で女性と少女の教育について420億円のODAを拠出すること、また紛争や暴力に苦しむ女性や少女を対象にしたUN WOMENの事業についても220億ドル拠出することを決定していると述べ、「2030アジェンダ」については、ターゲットを設定するだけでは意味をもたず、具体的な達成が重要だという認識を示した。

3月18日、国連日本政府代表部と日本の3つのNGOが主催するサイドイベントも行われた。このイベントはデンマーク政府およびドイツ政府、そして女性差別撤廃委員会(CEDAW)の協力も得ている。テーマは「経済分野でのジェンダーギャップ解消を目指して」で、100人近くの参加があった。

期間中、「慰安婦」問題について日本の加害責任を否定する団体らが、「「慰安婦」は性奴隷ではない」といったタイトルでNGOパラレルイベント(CSW開催中に国連本部周辺で行われる女性団体が主催するイベント)を開催するといった事態も起きている。

24日に合意されたCSW60の最終合意文書では、北京行動綱領など女性の人権に関する成果文章の重要性を再認識すること、SDGsやCOP21での合意、そして2015年10月に採択された平和・安全保障への女性の参加に関する安保理決議2242号などを推進していくこと、メジャーグループとして「2030アジェンダ」の作成に大きく貢献した市民社会と目標の達成のためにこれからも協力関係を維持していくこと、ジェンダー平等の達成にはには男性や少年の参加の重要であることなどが明記された。また、優先テーマの下に行われた4つのラウンドテーブル、(a)国、組織、制度の強化、(b)規範、法律、政策の枠組みの強化、(c)2030アジェンダのジェンダー平等における資、(d)データのデザイン、収集、分析に関する発展、における成果も文書に含まれた。

<参考>
●CSW60詳細(UN Women)
●CSW57「女性と少女に対するあらゆる暴力の撤廃と防止」に関する合意(UN Women)
●CSW60日本政府ステートメント(UN)
●CSW60最終合意文書(UN Women)

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