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カシミール:インド軍によるデモ隊弾圧 死者42人

2016/07/25

 2016年7月9日、インド西北部のカシミールで、インドからの分離・独立を求める人々が大規模なデモを行った。このデモに対して、インド軍の治安部隊および警察は武力で制圧し、報道によれば、17日までに42人が死亡し、2000人が負傷したという。
 このデモは、7月8日に分離・独立派組織「ヒズブル・ムジャヒディン」(Hizbul Mujahideen)のリーダーがインド軍により殺害されたことをきっかけに起こった。殺害されたリーダーの葬儀には何千人もの市民が参列し、それにつづいて抗議デモが行われた。
 インド北部とパキスタン北東部にひろがる山岳地帯であるカシミールは、インド、パキスタン、中国の3国が領有権を主張しており、長く紛争が続いてきた。軍による拷問や性暴力も大きな問題となっている。
 地元NGOのジャンムカシミール市民社会連合(JKCCS)は「ジャンムカシミールは人道的危機に直面しており、国際的な介入を喫緊に要している」と緊急声明を発表した。声明では、カシミール地域には現在、70万以上もの国軍が存在し、世界で最も武装化された地域だとし、これまで、7万人以上の殺害、8千人以上の強制失踪、そして無数の拷問や性暴力などの戦争犯罪を含む人権侵害が起こり続けていると訴えている。とくに暴力は子どもや若者がターゲットにされており、また、ペレット銃の使用や医療施設への攻撃は、明確な国内法および国際法違反であると訴えている。ペレット銃は、2010年から使用され始めた、狩猟につかわれる散弾銃の一種。インド軍や警察は、威力が弱いため致死性はないとしているが、実際は重傷を負うことが多く、特に弾丸を目に受けると失明にいたるケースが少なくない。今回もおよそ100件近く、目の重傷例が報告されている。
 これまでカシミール政府は、過度な暴力を行使した警察や軍の責任を追及すると約束してきたが、調査は放置されたまま、だれも処罰されていない。
 カシミール問題は日本でもほとんど知られていない状況だが、カシミール地域の住民を孤立させない、そして、これ以上の被害を生まないためにも、国連などの国際機関は緊急の対応が求められている。

【声明】
JKCCS (7/16) URGENT ACTION / APPEAL regarding deteriorating political and humanitarian situation in Jammu and Kashmir
【報道】
BBC (7/14) Why the Kashmir killings could have been avoided

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