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インドネシア:初の女性イスラーム法学者たちによる会議開催――女性の権利を求める提案を採択

2017/06/21

2017年4月、インドネシア西ジャワ州のチルボンで、初の女性イスラーム法学者たちによる会議「女性ウラマー会議」が開催された。女性のウラマー(ulama、イスラーム法学者)の認知度を高め、イスラームの聖典であるクルアーンとハディースの理解を女性たちで共有し、ジェンダー平等を実現することが会議の目的だ。会議にはインドネシア全土のウラマが集まり、幅広い社会政治問題が議論され、イスラーム研究や女性たち自身の経験が共有される3日間となった。

この会議のアイデアは5年前に生まれたという。当初、インドネシア・ウラマー会議(MUI)は、女性をウラマーと認めることを拒否していた。そのため、さまざまなムスリムの女性グループが集まり、女性ウラマーをエンパワーする場が必要だと話し合った。

実行委員会を立ち上げ、会議のプログラムに関する話し合いはSNSで行った。その際、多くの女性は自身がウラマーだと表明しなかったという。自身の学識を隠してしまうことで、インドネシアにおける多くの女性ウラマーの存在が見えなくなっている、と実行委員会のメンバーは語る。

会議にはインドネシアの各地域で活動する女性たちや、大学でイスラーム研究を行う女性たちの参加が多かったが、ナイジェリア、ケニア、パキスタン、サウジアラビアからも女性ウラマーや研究者が招待された。また、ムスリムがマジョリティを占める国で宗教との関わりが大切だと考える活動家らも参加。それぞれの体験が共有された。

「なぜクルアーンには妻を性的に満足させない夫については何も書いていないのか。なぜセックスを拒否する女性に対する罰はあるのに、男性にはないのか」という質問には、カラフルなヒジャーブを身にまとった800人もの女性たちから賛同を示す大きな拍手があったという。

分科会では、性暴力や一夫多妻、原理主義、平和と安全保障、教育などの課題について話し合われた。性暴力、児童婚、環境破壊の3つの問題についてはとくに大きく取り上げられ、女性の婚姻適齢を16歳と定めた婚姻法について、宗教省のルクマン・ハキム・サイファディン(Lukman Hakim Sayfuddin)大臣は、16歳から18歳に引き上げるとした女性ウラマーたちの提案を政府に提出することを約束している。

会場の一角には子宮頸がん検診のブースも設けられた。イスラームに関する会議に参加するだけだと考えていた参加者にとっては、女性の権利に関して話し合われたことが驚きだったという。「女性が主体的であるなんて、私の信仰するイスラームでは許されないと思っていた。ムスリム女性がムスリムでない人と結婚することもできるという進歩的な考え方を持った女性がいることに驚いた」と一人の参加者は語った。

終了後も200以上の団体がSNSを通じて今後の活動について話し合っているという。会議のディレクターは「この会合が、単なる一時の活動で終わらないよう、権利擁護の確立のために力を尽くしていきたい」と話した。

 

【報道】

Newsdeeply “In Indonesia, Female Clerics Seek Recognition and Rights for Women”

 

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