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女性に対する暴力撤廃の国際デーに世界各地でジェンダー暴力への抗議アクション

2019/11/29

11月25日は女性に対する暴力撤廃の国際デー。この日、世界各地で人々はジェンダー暴力と闘うさまざまなアクションに取り組んだ。

国連によれば、2017年、世界中で殺害された女性・女児は約8万7000人にも上った。女性・女児に対する暴力は、私たちの世界で最も広範で継続される深刻な人権侵害の一つであり、その多くは不処罰やスティグマにより報告すらされていない。

メキシコシティでは、当局に対し、フェミサイド(女性であることを理由にした殺人)やレイプをなくす行動を取るよう求めるデモ行進が行われた。一部、治安部隊と衝突し市内のモニュメントが破壊されることもあった。

ラテンアメリカ各地の抗議行動は大規模だった。国連によればラテンアメリカでは毎日12人の女性が殺されている。

チリでは、口の周りを赤い手の形にペイントした参加者がデモ行進し、ジェンダー暴力と闘うさらなる行動を求めた。

アルゼンチンでも同様のアクションが行われた。口の周りを紫色の手の形にペイントした女性たちがブエノスアイレスの国会前の抗議行動に集まった。

ウルグアイのモンテビデオでは、黒い服を着た人々が性別に基づく暴力に反対するマーチを行った。

ホンジュラスでは殺害された女性を表すぬいぐるみをロープに吊るすアクションを、パナマでは赤いペイントで覆われたシーツの下に人々が横たわり、フェミサイドの被害者たちを表現するアクションを起こしている。

ヨーロッパ全体でも抗議行動が行われた。

フランス・ナントでは、デモ参加者の女性たちが「ストップ」「138」と手のひらに書いて、今年、現在または過去のパートナーによって殺されたと報告されている女性の数を示した。

イタリア・トリノでは、上院議員会館のマダマ宮殿が赤くライトアップされ、女性に対する暴力撤廃の国際デーを記念した。

スペインでは、何千人もの人々がデモ行進し、女性に対する暴力の撲滅を呼びかけた。同国では今年だけですでに52人もの女性が現在または元パートナーによって殺害されたと報告されている。

トルコ・イスタンブールでも大勢の群衆が街を行進した。デモ隊の何人かは機動隊と衝突している。イスタンブールで活動する団体”We Will Stop Femicide”は、今年だけですでに300人の女性がトルコ国内で殺害されたと話す。

ベルギー・ブリュッセルでは、フェミサイドの犠牲者を象徴する赤く塗られた靴が地面に並べられた。

スーダンの女性たちは、ハルツーム・ブリ地区で「自由、平和、正義」を訴えながら行進した。

日本でも11月21日に大阪の天満橋駅前で「11.25女性に対する暴力撤廃の国際デー」スタンディング行動が行われている。

11月25日から12月10日までの16日間はジェンダーに基づく暴力と闘う16日間キャンペーンだ。世界中で引き続きさまざまなアクションが取り組まれる。

●BBCIn pictures: Global protests denounce violence against women
●日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワーク「11.25 女性に対する暴力撤廃の国際デー」スタンディング
16日間キャンペーン公式サイト(英語)

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