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渋谷区における男性および同性間の暴力被害相談支援と行政手続きの現状に対し、苦情申し立てを送付しました

2020/07/21

渋谷区における男性および同性間の暴力被害相談支援と行政手続きに関わる現状が、渋谷区男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例について違反の状態となっていることから、同条例第15条に基づき、渋谷区に苦情申し立ての書面を送付しました。渋谷区を拠点に活動する4団体およびLGBTIQの性暴力被害に関する活動を行う1団体の計5団体の共同で作成し、渋谷区には苦情申し立てに関する速やかな調査の実施と、解決のための施策を要望するほか、この申し立てについて文書での回答を求めます。

内容や経緯等の詳細は、以下でお読みいただくことができます。渋谷区からの回答があった場合、こちらのウェブサイトにてお知らせいたします。

 


2020年7月20日

長谷部 健 渋谷区長 様

苦情申し立て

<苦情申立者(5団体連名にて申し立てます)>
団体名:ねる会議
特定非営利活動法人 アジア女性資料センター
Broken Rainbow – Japan
ふぇみん婦人民主クラブ
ノラ

(当該条例3条1項違反に関する苦情申し立て)
渋谷区における行政手続き、相談支援に関する現状が、渋谷区男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例について違反の状態となっていることから、同条例第15条に基づき、以下の苦情を申し立てる。また、当該苦情申し立てについて、速やかに調査を実施し、解決のための施策を講じることを要望するとともに、この苦情申し立てについては文書にての回答を希望する。

一 、 渋谷区において男性及び性的マイノリティのDVおよび暴力被害について具体的に対応する窓口が設置されておらず、性別による差別的、固定的な取り扱いが放置されていること、そして DV および暴力被害について、男性及び性的マ イノリティに関する予防啓発、また当事者たちの相談を聞く機能がなく、都の機関である東京ウィメンズプラザに一任するという責任放棄が行われていることについて、苦情を申し立てる。

一 、 新型コロナウィルスに関連する特別定額給付金手続きにおいて、暴力被害等で世帯と離れて暮らしている者につい て、相談を「女性のみ」と限定し、男性に対し実施せず、またそれらの手続きを都の機関である東京ウィメンズプラザに一任し責任を放棄したことについて、苦情を申し立てる。

(行政手続きに関する苦情申し立て)
一、渋谷区内の窓口 3 件において、異なる対応、また憶測に基づく発言(例:「LGBTであればアイリスにて確認書を発行できるはず」「23 区皆同様の対応であり問題がない」など担当者が確認もせずに伝えてきた事実とは異なる見解)を多くしており、条例に基づく対応が徹底されていない事はもちろん、区の行政手続きとして一貫した指針がなく、結果とし て逼迫した状況にある区民をたらい回し、性別による差別を元に、行政手続き・施策から排除していることについて、苦情を申し立てる。

※Broken Rainbow-Japanに関しては、所在地が渋谷区内ではないが、全国での LGBTIQA の暴力被害に関しての活動を実施しており、 渋谷区を拠点とする方からの相談支援も事業として実施していることから、今回の苦情申し立てについて重要且つ喫緊の課題として取り組んでいただくために、賛同の意を含め申立書を用意し、今回の連名での申し立てに参加しています。

 

苦情申し立てに関する経緯

以下に、今回の苦情申し立てに至る経緯を記載する。 この経緯については、当該案件についての当事者及び、申し立て団体のメンバーがそれぞれ窓口において再三の確認をした上で記載したものである。

特別定額給付金の支給に関し、配偶者・親族からの暴力被害により避難をされている方が、担当窓口である福祉部生活福祉課相談係に世帯主と生活を一にすることが困難な状態の中で給付措置を受けるべく相談に行ったが、渋谷区においては男性の暴力被害について相談を聞く事、確認書を出す事は出来ないと言われた。

1、福祉部生活福祉課に相談をし、その際に提示されたのは以下のことであった。
(福祉課相談係)
一、DV 被害などの確認書の発行は女性が対象なので男性は受け付けていない 一、男性相談はウィメンズプラザにて受けている
(福祉課子ども女性主査)
一、当該窓口は女性専用の窓口であり相談は受け付けられず、よって相談の確認書も作成することは出来ない 二、東京ウィメンズプラザに男性相談があり、その相談窓口で確認書を出してもらえば、申請は受け付ける

2、「男性相談を一切受け付けない」という状況を確認するため地域振興課給付金担当において、上記の状況について確 認したところ、提示されたのは以下のことであった。
一、子ども女性主査の言う通り、男性の相談に関しては受けることができない
二、LGBT であればアイリスで相談が出来るのではないか 三、基本的に男性についてはウィメンズプラザにお願いすることになる

3、 2を踏まえアイリスに問い合わせ、上記の状況について確認したところ、提示されたのは以下のことであった。
一、女性に関しては相談を聞くが、そもそも出先機関であり確認書などは出す権限がない
二、法律相談は男性も受けることができるが、7月まで予約がいっぱいであることに加え、確認書については出せるか分からない
三、LGBT 相談は予約無しでできるが、同じく確認書は出せない
四、暴力被害に関しては性別に関わらずアイリスでは対応が出来ない
五、ウィメンズプラザに一任することについては23区全て同様の対応であり、そのことに問題はないという認識である

4、渋谷区での対応を諦め、東京ウィメンズプラザに問い合わせた際、上記の状況について確認したところ、提示されたのは以下のことであった。
一、男性であってももちろん確認書を出す事はできるが、予約が 8 月まで埋まっており相談を受けることができない 二、当該対応については本来渋谷区がやるべきものであり、もう一度渋谷区において確認書を出すようお願いして 欲しい

これら1〜4を踏まえ、改めて渋谷区において対応を依頼したところ、東京ウィメンズプラザでの対応が不可能だった ことなどを踏まえ、地域振興課給付金担当において確認書を出すことを了承され、申請書を出す事は出来るようになった。 しかし依然として、本来相談を受けるべき福祉部生活福祉課やアイリスにおいては男性の相談を聞けないという状態は 継続されており、また同じ問題に対して部署ごとの対応が異なり、尚且つ部署ごとの連携がない。 この、性別による施策からの排除は、暴力被害当事者を孤立させ、被害の最中にある当事者たちが自らの権利を享受するため立ち上がるための力を奪い取ろうとする、劣悪な対応であったと考えている。

 

 

 

 

渋谷区への苦情申し立ての当該書面は、以下からダウンロードできます。
渋谷区苦情申し立て(2020年7月20日)

 

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