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安保理決議1325号を実行しよう!「女性・平和・安全保障」日本版行動計画(NAP)

2014/09/08

安保理決議1325号とは
2000年10月に国連安全保障理事会で採択された「女性・平和・安全保障」に関する1325号決議は、平和・安全保障とジェンダーに関する、最も重要な国際合意文書です。

現代の武力紛争における犠牲者の多くは、女性を含む民間人です。レイプなどの女性に対する暴力は、戦争の手段として戦略的に用いられていることが明らかにされてきましたが、長い間、重大な戦争犯罪として処罰されてきませんでした。

一方で、女性たちは単なる被害者ではなく、紛争予防や平和の維持・構築において重要な役割を果たしています。しかし、和平交渉などの重要な意思決定プロセスからは排除されがちで、女性のニーズや関心が無視される結果、紛争後もジェンダー不平等な社会構造ができてしまうことになりがちです。
こうした問題が明らかになってきたことから、平和・安全保障分野のジェンダー主流化を進めるために、国際NGOの積極的なはたらきかけによって、決議1325号が採択されました。

1325号決議のポイント ●平和構築や安全保障政策にジェンダー視点を導入すること
●あらゆるレベルの意思決定における女性の平等な参加を補償すること
●武力紛争下の女性に対する暴力を防止し、女性・女児を保護すること。加害者を処罰すること
●紛争の予防・解決、平和構築における女性の役割など

さらに、2014年までに、7本の関連決議も採択されています(1820号(2008)、1888号(2009)、1889号(2009)、1960号(2010)、2106号(2013)、2122号(2013))。

基礎資料安保理1325号決議(アジア女性資料センター日本語訳)1325決議および1325NAPに関する基礎知識安保理2000年国際女性デー声明 日本語訳国連が示す4つの目標
関連ニュースとアクション国連:紛争下性暴力に関する安保理事会決議1820号が成立(2008-06-25)国連安保理:武力紛争下の性暴力に関する決議1888号を採択(2009-10-02)フィリピン:安保理決議1325&1880国内行動計画を策定(2010-03-26)1325号決議10年:元安保理議長「日本は積極的な行動を」(2010-9-24)安保理:紛争と女性に関する新決議1960号を採択(2010-12-21)ネパール:安保理決議1325&1820国内行動計画を策定(2011-2-14)「女性・平和・安全保障」日本版1325NAPの策定に市民参加を:39団体が要望書を提出(2013-8-29)安保理:平和・安全保障とジェンダー平等・女性のエンパワーメントに関する決議2122号を採択(2013-10-25)1325NAP策定に市民社会の参加を求める要請(2013/8/28)日本版1325NAP策定に関するGPPACレター
【NEW】1325NAP市民連絡会声明:安保理決議1325号「女性・平和・安全保障」行動計画最終版の公表を受けてStatement of the Civil Society Working Group on the official announcement of Japan’s National Action Plan on “Women, Peace and Security”
1325号決議国内行動計画(1325NAP)とは
1325号決議は画期的な内容でしたが、実行がほとんど進んでいないため、加盟国は国内行動計画(National Action Plan: NAP)を策定して実行するよう求められています。2014年8月までに、45カ国がNAPを策定しました。

日本版NAPの策定について 日本政府は2013年3月の国連女性の地位委員会(CSW)で、日本版NAPを策定することを表明しました。アジア女性資料センターなど39団体は、2013年8月に、策定プロセスへの市民社会の参加保障をもとめる要請書を提出し、外務省と協議を行ってきました。この結果、策定プロセスを延長すること、政府・学識経験者・市民社会代表が参加する「小人数グループ」で草案を議論することについて合意がなされました。
小人数グループ会合は2013年11月から始まり、議事概要や提出された文書は、すべて外務省のホームページに公開されています。また、東京、沖縄、関西、北海道、東北で意見交換会も開催されています。

日本版1325NAPに関する日本政府の情報NGO・外務省定期協議会「第1回ODA政策協議会」(2013/7/19)における1325NAPに関する協議 ●1325NAPに関する外務省ホームページはこちらから。
国連決議1325号 国別行動計画(NAP)に関するパブリック・コメントが開始されました!(10/14まで)パブコメの出し方を解説しました!
1325NAP市民連絡会について
市民社会の知見を集約し、「小人数グループ会合」に対案を効果的に出すことを目的として、2013年10月に「1325NAP市民連絡会」が発足しました。現在、60人超、15団体が参加しています。

政府案第1稿に対する市民連絡会のコメント・代替案「序文」へのコメント「参画」の代替案「保護」の代替案「予防」の代替案「人道復興支援」の代替案「モニタリング・評価」の代替案
2014年9月12日シンポジウム「女性・平和・安全保障」を開催 1325号決議の意義や、市民社会で国内行動計画を活かすにはどうすべきかを話し合いました。
当日の資料はこちらからご覧いただけます。

1325NAP市民連絡会に参加するには 運営規定に合意していること、入会費(2000円)を支払うことが、入会の条件となります。
運営規約を確認のうえ、メール(ajwrc@ajwrc.org)で、お名前、所属(または1325に関連する活動内容)、MLに登録するメールアドレスをおしらせください。
入会費の振込先:
<ゆうちょ銀行から>口座記号番号 00130-5-264366 1325NAP市民連絡会
<他行等から>〇一九(ゼロイチキュウ)店(019)当座 0264366

アジア女性資料センターのこれまでの取り組み
●2012年7月6日 ワークショップ「1325NAPの意味と役割、可能性は?」 ●2012年11月5日 院内集会 元安保理議長アンワラル・チャウドリー氏をむかえて ●2013年8月13日 政策提言ワークショップ ●2013年8月29日 国連安保理決議1325号にもとづく日本版国別行動計画策定について市民社会の意味ある参加保障を求める要望 ●2013年11月19日 安保理決議1325号国別行動計画策定に向けた連続学習会 第1回「国際法の観点からジェンダーと安全保障を考える」 ●2014年2月7日 安保理決議1325号国別行動計画策定に向けた学習会第2回 「1325決議を使うことと1325NAPを使うこと~ネパールの事例から」 ●2014年3月7日 安保理決議1325号国別行動計画策定に向けた連続学習会第3回「紛争予防とジェンダー」学習会

★平和・安全保障と女性の権利に関するアジア女性資料センターのその他の取り組みについてはこちらからご覧いただけます。

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