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香港から報告とお願い

2005/12/24

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051219-00000161-mai-int

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051219-00000136-mai-int

日曜日
大きな衝突から一夜明けた最終日、予定通りHKPA(WTOに対する民間監察団)呼びかけによるデモが行われました。2時から集会が始まり、3時過ぎから行進に入りました。5時過ぎには、韓国の農民団体をのぞく、すべての団体が揃い、WTOへ抗議を行い、プログラムとしては一通り終わりました。
前日の騒ぎもあり、警察が相当神経質になっていた事が事実です。この日は、1000人ほどの韓国人の農民たちが、宿泊先である郊外のYMCAのキャンプ場から出ることを警察に止められ、最後のデモには韓国の方は、見た感じ200名程度しか参加できませんでした。それでも、集会場に入場を阻止されながらも、その場で座り込んで独自に集会を始め、その周りを香港人が囲んで行く形で徐々に大きくなってゆきました。韓国の方独特の、総括の弁がリーダーの方から述べられた後、いろんな歌を歌ったり、踊ったりしてゆくうちに、次第に香港人たちもその中に入り始め、最後は本当に一緒になって歌ったり踊ったりしました。そして、元々、ヴィクトリア公園に帰ってから食べる予定だったお弁当を集会場まで運び、さらに、お弁当も香港人たちと一緒にシェアしながらさながら大宴会になりました(もちろん、キムチ&焼酎付きで)。一緒に写真を撮ったり、鉢巻を交換したり、住所を教えあったり、それが一般人だけでなく、取材にしていた記者たちもいろんな立ち話や記念写真を楽しんでいたようで、最後の踊りの時には、その場にいた警察官何人かも加わったほどでした。(これらはその日の夜のニュースや翌朝のニュースで大きく取り上げられました)

口々に「サンキューホンコン」といいながら、韓国の農民たちは着いたバスに乗り込み夜中過ぎに”祝会”は終わりました。

私も帰り道、歩道沿いに座り込んで、人によっては眠っていた警察官に「お疲れですね~」と言ったら、「いや~疲れましたわ。昨日から1時間半しか寝てません」とのことでした。

月曜日
この日は、先ず韓国人の女性150名を含む、188名が釈放された事が伝わってきました。そして、夕方には残りの1,000名ほどが釈放されました。逮捕されていた日本人も4名が釈放されましたし、皆是ですべて終わるものと思っておりました。しかし、夜になり14名が公安条例違反:違法な公衆集会の嫌疑で起訴されるという話が伝わって来、その中に日本人1人も入っているとの連絡を受け、私も観糖法院に向かいました。

着いてみますと、警察の方が以上に神経質になっており、2重に持ち物検査が行われ、気の短い香港人は「もう検査したじゃないか」「お前は同僚の検査を信じられないのか」「早くしろ」と口々に言っていました。裁判も、多数の香港人で韓国人支持者と、非番らしい警察官が詰め掛け、裁判長が着席する際も「即時釈放」「香港の恥」などと叫び、逮捕者14名が入場しても、習いたての韓国語で「支持ハムニダ」と叫び、かなり荒れた雰囲気の中で行われました。2時間近くの法廷で、嫌疑事項が読まれましたが、さらに詳細な調査が必要と言う事で、検察人が起訴補修で拘留期間を延長したいと述べ、裁判長も同意しました。その後、弁護人の方から、丸2日間、着替えもシャワーもなかったので、温水シャワーと着替えの差し入れ、それからキムチなどなじみの食べ物を差し入れできるよう取図ること、夜は、ベッドと毛布を用意する事を、その他、必要に応じて便宜を図る事を拘留条件に入れるように、裁判長に申請し、裁判長も許可しました。

裁判の後、外では、支持者が大声で、声援を送りました。後で聞いた話ですが、逮捕以来、なんにニュースも見ていなかった逮捕者たちは、それを見て、相当精神的に励まされたとの事でした。

私は、日本語が出来る人間が他にいないこともあり、担当弁護士とともに、日本人逮捕者を訪問し、差し入れなどを行いました。しかし、警察も本当に神経質で、1回目は弁護士のみ、2回目も3分間の面談のみでした。しかし、徐々に警察側も対応がよくなり、3回目、弁護士と一緒に行って3分は短すぎる、と言うとその日は1時近く、話すことが出来、本人が不便に感じている事、本人の要望を聞き、さっそく、新聞の差し入れなどを認めさせました。4回目になると、外で長時間待たされる事もなく、即座に面会できました。

日本人の逮捕者はNさんと言う29歳の方で、当日、デモに参加し、一緒に歩いていたところ、途中から道がふさがれて出られなくなり、そこにいた韓国の人たちと一緒に座って話したりしていたところ、気がついたら、警察官に囲まれており、午前2時半ごろ逮捕されたとの事でした。そして、移送された警察署で写真を撮られ、指紋をとられて、長い時間またされ、そして呼ばれて、釈放手続きかと思って入ったところ、起訴されますと聞かされたため、ずいぶん、怒っておられます。
新聞には、WTO関連記事が逮捕者も含めて詳しく載っており、それを差し入れたところ、ずいぶん安心されたようです。

暴動なのか
今回を暴動(Riot)と呼べるかと言うと無理があるように思います。どこかの店が襲われたりしたわけでもありませんし、車が焼かれたわけでもありません。テレビで見ても、警察の警戒線を突破しようとした人に対して、警察官は何倍もいたわけで、先頭のデモ隊を殴り、催涙スプレーを顔に向かってかけ、それでも押しに押され、最後に催涙弾を打ち込んでデモ参加者を追い返したと言う事でしかありません。香港ではこのようなことは、37年ぶりなので、経験がないということで警察側の精神的な動揺が見て取れ、それも分からなくはありませんが、それでも、逃げ場がなくなって立ちすくんでいた1000名のデモ参加者を3時間近く、包囲し続け、途中、トイレも認めず、最後は「早く寝に帰りたい」とジェスチャーで説明しているデモ参加者を包囲し続け(このシーンは有線放送で中継されました)、逮捕する際も、デモ参加者が既に1列に並んでいるにもかかわらず、非常に手配がのろく、日が空けた9時近くまで、逮捕にかかりました。これは、香港の人間からすれば、非常に警察として期待されているプロ精神に反する事で、それだけでも警察に怒っている人が結構います。当初から、警察も逮捕者を出さない方針と言う事は聞いていましたし、予想外であったのでしょうが、それでも、留置所についてからも、トイレに行く行かない、喫煙を認める認めないなど、細かいところでバラバラで、しかも、香港ID所持者(つまり香港住民)を無条件で釈放した所にも、批判が集まっています。

この後、火曜日に今後の対応について会議がもたれ、あくまで無条件即時釈放を求めてゆくことで一致しました。それから、人権の侵害や暴力の行使に関しては、抗議を続け、今回の処置に関して賠償(確実な証拠もないまま拘留され、航空券が無効になったため)を求めてゆくことでも一致しました。

活動
既に水曜日から、法院(裁判所)の前で、釈放を求めて、3千回土下座するアクションが行われ、あわせて学生さんが抗議のハンストを行っておられます。それから、ソウルと台北では、大使館など、対外的な窓口前で抗議か行われています。

22日
この日は、WTO期間中、毎晩、キャンドル集会を開き、市民に直接自分たちのオピニオンを伝えた、韓国の農民に習い、香港SOGO前で午後9時からキャンドル集会を開き、14人の現状と警察の過失を市民に説明します。あわせて、支援の募金活動も行われます。
昼間は、学生さんたちが中心になり、14名が拘留されている3つの警察を廻り、そこから大声で歌を歌って励まそう、と言う活動が行われます。

23日、
この日は、もう一度、法廷が開かれる日ですが、逮捕者が法廷に入る前と出るときに、大声で声援を送って励まそう、と言う活動が企画されています。若し、釈放が決まれば、歓迎会に切り替わる予定です。

皆さんにお願いしたい事
今の所、日本人の逮捕者がいるということで、かなりマスコミからの問い合わせもある中で、日本からの抗議行動なり、その手ニュースが伝わっていないのか、香港では報告されておりません。中国大使館前や領事館などで申し入れ、抗議活動を若しされる場合は、その内容を英文とあればデジカメの映像を香港にお送りください。あて先は、hkpa.documentation@gmail.comです。

また、簡単なところで、以下のような文面を参考に香港政府に対してFAXをお送りいただくのも1つです。香港では、こうしたすべてのメッセージは、公文書として製本され、報告として必ず本人たちに渡りますし、立法会にも報告されます。

あて先
Chief Executive of HK: Mr Donald Tsang(香港特別行政区行政長官:ドナルド曽)
メール: ceo@ceo.gov.hk
Head of the Security Bureau: Mr Ambrose S.K. LEE (保安局長:アンブローズ李)
メール:sbenq@sb.gov.hk

SAMPLE EMAIL(例文です)

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Dear Mr Tsang / Mr. Lee

I/we (my organisation:あれば団体名、) am deeply concerned about the 14 demonstrators still held in police custody in Hong Kong, following the rally of December 17, 2005. I/we (my organisation) call upon you to immediately release them, and drop all of the charges.

Over the past few weeks, dozens of peaceful rallies were organized in Hong Kong. Furthermore, the local and nternational community was deeply moved by the sincere actions of demonstrators and expressed their strong support
to the Korean peasants.

During the whole demonstration, there was no damage to private shops or public property. Police labeling of this incident as a “riot” is totally misleading and completely untrue.

I/we (my organisation) regret that the police force used unnecessary excessive force during the rally, on December 17, 2005. Tear gas was applied without prior warning to the public and reporters on the spot. We regret the fact that considerable numbers of demonstrators and Hong Kong
citizens were injured by water cannon and tear gas and express our deepest concern to all injured people.

Many international NGO and trade union representatives were present in Hong Kong during the WTO conference, and joined in the rallies and actions together with those presently kept in custody. The international community will continue to closely monitor the situation of the detainees and the
actions of the Hong Kong authorities. We sincerely hope you will hear our call and release all detainees nconditionally and without pressing charges.

Sincerely,

最後は、本人のお名前をローマ字で書いていただき、その上辺りに署
名してください。

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では、ひとまず、

ちょ@香港

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