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男女差別賃金の是正を求める10/22最高裁アクション

2008/10/09

いま、2つの男女賃金差別裁判が最高裁にかかっています。1つは昭和シェル石油野崎事件、もう1つがコース別雇用における男女差別賃金を争う商社兼松事件です。
いずれの事件も、高裁では、女性の仕事に対する正当な評価がなされず、均等法成立以前の明らかな男女差別を「公序に反するとまでは言えない」とされました。これではいつまでも女性に対する賃金差別はなくなりません。最高裁判所が「人権の砦」にふさわしく、完全な性差別賃金の是正を命じる判決を出すように、多くの女性と男性で最高裁をとり囲みアッピールします。
当日参加できる方と、賛同してくださる団体、個人を募っています。(アジア女性資料センターは賛同団体です)

●2008年10月22日(水)
8:15~ 9:00 最高裁西門前ビラ撒き(当日は他の争議団との合同ビラ撒きです)
10:30~11:30 最高裁をみんなで取り囲みアッピール(リボンやアッピールをもって)
午後 国会ロビー活動 
昭和シェル石油裁判原告・昭和シェル石油裁判弁護団・全石油昭和シェル労姐
野崎さんとともに昭和シェルの男女差別を正す会
兼松裁判原告団・兼松裁判弁護団・商社ウィメンズユニオン・兼松の裁判を応援する「是正の会」         

●賛同の連絡先
連絡先FAX:03-5988-7286(原告:野崎)  ysakai@diana.dti.ne.jp(原告:逆井)

                       

●昭和シェル石油女性差別事件とは
 1994年3月8日国際女性デーに、昭和シェル石油(1985年、昭和石油とシェル石油が合併)を1992年5月に定年退職した野崎光枝さんが、賃金・退職金・厚生年金での不利益の是正として損害賠償金(5290万円)等を求めて東京地裁に提訴。
 9年の審理の終盤には闇の昇格管理基準「滞留年数表」が発覚。2003年1月東京地裁は「男性社員は学歴別年功制度を基本に置き。一定年齢以上はこれに職能を加味し、昇格の時期に幅をもたせて昇格管理を行う一方、女性社員については男性とは別の基準(年功をさほど考慮せず、昇格には同学歴男性より長い年月を必要とし、一定の等級以上への昇格を想定しないもの)を設けて昇格管理を行っていた」と4500万円の損害賠償支払いを命じた。
 被告昭和シェル石油は控訴。地裁での「低い資格は能力の結果」との主張を覆し、合併前の男女差は他の会社も同様、和文タイプは特殊職、地裁の認めた資格は高すぎる、過去分は時効だと主張。高裁は滞留年数表が昇格基準であること、合併以降の差別を労基法4条、均等法8条違反としたが、合併前は、20年間の和文タイプは特殊職でさほど困難性が高くない、多くの女性は補助職で、社会状況から違法とは言えないとした。合併時の是正資格を20歳以上若い男性の資格とし、その後2度の昇格を命じたが、時効を認めた結果損害額は半分となった。
 原告側も労基法は1947年に施行なのに1985年までの差別が違法ではないとしたこと、職務評価もせず和文タイプは困難性がないとする判決は憲法に反すると上告した。
 昭和シェル石油では、2004年12月にも現役女性12名が賃金と昇格の差別是正を求めて提訴。現在東京地裁で係争中。

●商社兼松事件とは
 商社兼松に働く女性6名が、コース別賃金体系は男女差別であると是正を求め、また、定年延長に伴う55歳よりの20%の賃金カットは不当であるとして、1995年9月に東京地裁に提訴。兼松は1986年均等法が施行される前の賃金体系は、学歴に関係なく男女別年功序列賃金だったが、今後は均等法違反になるということから、コース別人事制度を導入し、それまでの男女別賃金を「職掌別」賃金とよみかえ、単純に男性は一般職、女性は事務職と一律に移行し、職務の分析もせず希望をきくこともなく男女を振り分けた。
 兼松では、仕事において男女の区別は明確ではなく、男女で同じような仕事に携わり、男性から女性に仕事を引き継ぎ、また、女性から男性に仕事を引き継ぐことは日常であった。しかし、事務職には女性のみが配置された。裁判では、仕事は男性と同じように価値ある仕事をしていることを原告の職務を分析し職務評価を行い立証した。しかし、2003年11月東京地裁の判決は「憲法14条の趣旨に反する」としながらも、原告の主張を全面的に否定した。原告は即刻控訴し、東京高裁では地裁判決の不当性を追及し、原告全員の職務をさらに証拠を示し、男女で仕事の価値に違いがないことを立証した。
2008年1月、東京高裁は4名の原告に対し、男性との仕事の質、価値を比較して労基法4条違反であることを認め、被告会社に賠償金額を支払うように求めた。しかし、2名の原告に対してはその訴えを全面的に退ける判決であった。一定の評価ができる判決ではあるが、秘書業務を専門性のない庶務的補助業務と位置づけており、女性の仕事に対して偏見に満ちたものであることや、勤続15年未満の男女格差を違法と認めないなど多くの問題点があることから上告した。

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