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BPO放送倫理検証委員会がNHK「慰安婦」番組改変について「放送倫理上の問題」を認定

2009/04/30

2000年に開催された「女性国際戦犯法廷」を取材したNHKの報道番組が、放送直前に安倍晋三氏ら政治家の圧力を受けて改変された問題について、市民団体などが「放送倫理・番組向上機構(BPO)」放送倫理検証委員会に検討を要請していた事案について、BPO放送倫理検証委員会は4月29日、「NHK教育テレビ『ETV2001シリーズ戦争をどう裁くか』第2回『問われる戦時性暴力』に関する意見」を発表し、NHKに放送倫理上の問題があったことを認定しました。

 同委員会は、放送前日、番組の試写に立ち会った野島担当局長が内容を修正、削除する方針を番組制作者らに指示したことを批判し、「放送人の倫理として、当然目指すべき質の追求という番組制作の大前提をないがしろにするもの」と指摘。また、NHK幹部が放送直前に番組内容を政治家に説明したことなどは、「公共放送にとってもっとも重要な自主・自律を危うくし、NHKに期待と信頼を寄せる視聴者に重大な疑念を抱かせる行為」と、明確に指摘しました。

この番組改編問題をめぐっては、「女性国際戦犯法廷」主催団体のひとつとして取材対象であったVAWW-Net-Japanが、最高裁まで7年間の訴訟を闘ってきましたが、昨年6月の最高裁判決(横尾和子裁判長)は政治介入の実態に踏みこむことを回避し、むしろ取材対象者の期待・信頼を保護することは「取材活動の委縮を招き、報道の自由の制約にもつながる」などとして、NHKら被告の敗訴を破棄し、バウネットの附帯上告を棄却していました。

原告のVAWW-Net-Japanは、BPOの存在趣旨に立って行われたこの決定を大いに歓迎するとともに、NHKに対しては「BPOの決定を真摯に受け止め、番組改変事件の真相究明を誠実に行い、 政府高官らとの距離を保ち、「目指すべき質の追求という番組制作」に全力 を
尽くし、今後、番組の制作・放送を巡って二度といかなる政治的権力にも影響されることなく、放送の自律・表現の自由を自ら守っていく姿勢を貫くことを心から願います」との声明を発表しました。

●BPO放送倫理検証委員会の意見書全文はこちらから
http://www.bpo.gr.jp/kensyo/decision/001-010/005_nhk.pdf

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