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歴史教科書に「慰安婦」記述を求める要請書

2009/08/17

歴史教科書への「慰安婦」記述を求める以下の要請書への賛同を募っています。賛同される方は、vaww-net-japan@jca.apc.org
へ、お名前(個人・団体)と在住の都道府県をおしらせください。第2次集約の締め切りは9月15日です。

貴社の2012年度版中学歴史教科書に「慰安婦」を記述するよう、心から要請いたします!!
■97年度版中学歴史教科書全社に記述された「慰安婦」は、貴社をはじめ、今やすべての教科書本文から「慰安婦」の言葉が消え、関連記述は日本書籍新社(本文)と帝国書院(注)のみとなりました。日本政府が継承している河野談話は、「このような歴史の真実を回避することなくむしろこれを歴史の教訓として直視していきたい」「歴史研究、歴史教育を通じてこのような問題を永く記憶にとどめるという固い決意」を表明しています。河野談話は政府の公約です。しかし、河野談話を否定する政府高官の発言や文科省の意向から、検定意見が年々厳しくなったために、残念なことに、前述のように貴社の教科書から「慰安婦」の文言は消えてしまいました。
政府は、今年1月、教科書記述について、「教科用図書検定基準に沿っているものである限り、当該図書の著作権者等の判断にゆだねられている」と言明していますが、これは憲法を遵守し、平和・平等・人権を根幹に据えた基準であるべきで、今年3月に改定された同検定基準に「近隣諸国条項」は継承されています。改定教育基本法にも、「他国の尊重」「国際社会の平和と発展への寄与」が謳われています。

■被害女性たちは教科書に「慰安婦」を記述することを、長年、求めてきました。
「後世に語り継がれるためにも、教科書への記述、教育での『慰安婦』問題の継承を強く求めます」(ヴァージニア・ヴィリアルマ/フィリピン)。「日本政府は歴史を隠し、若い人たちに分からせていない。私たちが日本に来て分かったことは若い人たちが戦争のことを全然知らないということです」(陳桃/台湾)。「私たちは、若い人に同じ苦しみを味わわせたくないという思いで闘っています。若い人に、歴史のウソを教えないで、本当のことを教えてほしい」(吉元玉/ 韓国)。
このように被害女性たちは、戦争ではどのようなことが起こるか知ってほしい、二度と戦争のない、性暴力のない社会を願って、自らの体験を語ってこられました。
教科書に記述して若い世代に歴史の事実を伝え、それを通して女性の人権、人間の尊厳を教えることは、被害を受けた女性たちの尊厳回復のためにも、同じ過ちが繰り返されないためにも、国際社会の平和と発展のためにも、日本の公的責任です。

■90年代から数々の国連機関が「慰安婦」問題の解決を勧告してきました。
ここ数年も、世界各国議会の「決議」や国連人権理事会、自由権規約委員会、ILO専門家委員会、拷問禁止委員会、女性差別撤廃委員会などの「勧告」をはじめ、宝塚市議会、清瀬市議会、札幌市議会、福岡市議会、箕面市議会、三鷹市議会、小金井市議会、京田辺市議会などの地方議会で、次々に「慰安婦」問題の公的・正当な解決を求める「意見書」を採択しています。
これらの決議・勧告・意見書は、公的な謝罪・補償、事実の公的認知、更なる真相究明、「慰安婦」否定の言動に対し毅然とした姿勢をとることなどと共に、教育の重要性を訴えています。

■現在、教育現場では「慰安婦」問題を教えようと努力されている先生が多数いますが、教科書に書いてないために教えることを阻まれている状況もあります。教科書に書いてないために教えたことを咎められ、処分を受けた先生もいます。政府の公約であるにも関わらず、です。
しかし、若い世代の中からは「事実を知りたい」「学校できちんと教えてほしい」という声が多数、聞かれます。こうした子どもたちの声に、耳を傾けてください!!「慰安婦」問題を義務教育で教えることは、子どもの権利条約でも謳われている子どもの知る権利を保障することでもあるのです。

現在、2012年度版中学歴史教科書の編集作業が進んでいると思いますが、貴社におかれましては歴史修正主義の攻撃に屈することなく、子どもたちの知る権利・学ぶ権利を保障するためにも、勇気と信念をもって「慰安婦」の記述を復活されますよう、心から要請いたします。

                     2009年8月7日

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