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知的障害児への性虐待:被害女児の証言みとめる判決

2010/03/31

 知的障害をもつ少女が、小学校特殊学級の担任教諭から性的虐待を受けたとして、元教諭と浦安市、千葉県を訴えている事件の控訴審で、東京高裁の一宮なほみ裁判長は3月25日、「日時や回数の記憶が正確でなかったり、供述時期が遅いだけでは、少女の供述の信用性は否定されない」として、一審で認められたよりも幅広い性的虐待の事実を認定し、賠償額も60万円から330万円に引き上げる判決を下しました。知的障害をもつ被害者や幼い児童による性的被害の訴えは、証言の不正確さを理由に退けられることが多く、今回の司法判断は、今後の同種の事件審理においても重要な意味をもつ、画期的な判決といえます。

 加害者の浦安市立小学校元教諭は起訴されましたが、被害時期や回数に関する少女の証言があいまいであることや、被害の申告までに時間がかかったことを理由に無罪とされました。刑事事件の審理では、東京高裁は「わいせつ行為が行われたことを示す供述には疑問をさしはさむ余地がないように思われる」としながらも、被害の場所や日時が特定できないことを理由に、少女の訴えを却下していました。
その後、少女と両親は民事裁判を起こし、2008年に千葉地裁は性的なものを含む虐待の事実3件を認定。これに市と県が控訴し、少女側もさらに多くの虐待事実の認定を求めて控訴していました。

【報道】知的障害児わいせつ訴訟・控訴審判決(朝日新聞千葉版)
http://mytown.asahi.com/chiba/news.php?k_id=12000001003250001

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