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アフガニスタン:女性団体がタリバーンによる石打刑執行に非難声明

2010/08/25

アフガニスタンのタリバーン支配地域において、婚姻外性交を理由とする死刑が最近あいついで執行されたことに対し、2つの国際フェミニスト・ネットワークが抗議声明を発表しました。

8月15日、アフタニスタン北部のタリバーンが支配する村で、23歳の女性と28歳の男性が石打により公開処刑されました。女性は別の男性と婚約しており、男性は既婚者であったと伝えられています。2人はパキスタンに駆け落ちしましたが、部族長老たちによるジルガでは、男性が賠償金を支払えば2人の結婚を許すという決定がなされたため、村に戻ってきたところをタリバーンに逮捕されました。タリバーンは村人たちを集めて公開諸兄に参加するよう強要し、「反イスラム的なことをすればこうなる」と警告しました。
その前の週には、妊娠が発覚した寡婦が、200回のムチ打ちを受けた後、銃殺により処刑されています。

抗議声明を出した「女性の殺害と石打を止めるグローバルキャンペーン(SKSW)」および「イスラム法下の女性たち(WLUML)」は、2件の死刑が、イスラム教指導者たちのウラマー評議会が、タリバーンとの紛争和解のための妥協として、厳格なイスラム法解釈にもとづく刑罰の執行をアフガニスタン政府に申し入れた後に起きていることを指摘し、「カルザイ政権や支援諸国がタリバーンなど武装勢力と短絡的な合意をむすぼうとしているなかで、人権、特に女性や少女の権利がおびやかされている」と批判しています。
タリバーンの支配地域では、イスラム法の厳格な解釈にもとづいて、社会規範からの逸脱に対し、石打による死刑や鞭打ち、手の切断といった残酷な刑罰が適用されています。
2団体は、アフガニスタン政府およびNATO同盟国に対し、タリバーンなど武装勢力との和解のために、人権、特に女性や少女の権利が犠牲にされることがあってはならないと主張し、安保理決議1325号にもとづいて、紛争和解努力の計画及び実施過程において女性の意味ある参加を要求しているアフガニスタン女性たちへの支持を表明しています。
また、アフガニスタン政府に対し、家族に関わる女性差別的な法律や規制、慣習等を見直すことや、女性に対する暴力を法律で禁止し、防止するための措置をとること等を要求しています。

Afghanistan: SKSW/WLUML Statement: Stop stoning and other forms of cruel punishments by the Taliban
http://www.wluml.org/node/6590
Taliban ‘kill adulterous Afghan couple’
http://www.bbc.co.uk/news/world-south-asia-10983494
Taliban flogs and executes pregnant widow
http://www.smh.com.au/world/taliban-flogs-and-executes-pregnant-widow-20100810-11v1l.html?from=age_ft

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