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アメリカ:グアテマラにおける性病人体実験の報告概要が明らかに

2011/09/05

アメリカの公衆衛生の医師たちが、1940年代にグアテマラで行っていた性病の人体実験について、大統領調査委員会の報告の概要が明らかになりました。

この実験は1946~48年にかけて、アメリカ国立衛生研究所の医師らが行ったもので、梅毒や淋病などの性感染症ウイルスに対する抗生物質ペニシリンの効果を調べることが目的とされていました。のべ5500人のグアテマラ人が、リスクの説明や同意手続きを経ずに被験者とされ、約1300人が性病に感染、700人がペニシリンを投与され、少なくとも83人が死亡していたことが明らかになりました。

この事実は、2010年に医療歴史学者のSusan M. Reverby教授の文献調査によって初めて明らかになり、オバマ大統領はグアテマラのコロン大統領に電話で謝罪するとともに、政府の医療倫理委員会に調査を命じていました。

人体実験の対象とされたのは、グアテマラ人の囚人や兵士、精神病患者、貧困者などで、売春女性たちを性病に感染させて男性たちと性交させたり、切り傷にウイルスを塗って感染させる、ウイルスを直接注射するといった方法もとられていました。

政府調査委員会は、医師たちは、自身の行為が医療倫理に反することを知りながら、それを研究の障害とみなして無視したと指摘しています。被害者や遺族への補償については、まだ明らかになっていません。

「グアテマラ性病人体実験、規定放棄で1300人感染=米大統領委」ロイター(8/30)
New York Times, Panel Hears Grim Details of Venereal Disease Tests (8/30)
調査委員会報告のExecutive Summary

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