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札幌:日韓請求権協定に基づく協議に応じることを求める意見書を採択!

2012/03/30

2008年に全国で3番目に「慰安婦」問題解決決議をあげた札幌市議会が、3月28日、日韓請求権協定に基づいて個人賠償請求権について韓国政府との協議に応じるよう、日本政府に求める意見書を採択しました。

日韓請求権協定に基づく協議に応じることを求める意見書
昨年8月30日に韓国憲法裁判所は、韓国人原爆被爆者問題と日本軍「慰安婦」被害者問題について、「日韓会談では協議されていないので未解決であり、韓国政府が、日本政府と解決のための協議を行わないでいるのは、政府に国民の人権を守る義務を課している韓国憲法に違反する」との決定を下した。
これを受けて、韓国外交通商部は9月15日、日本政府に日韓請求権協定に基づく協議を公式に求めたが日本政府は、「日韓請求権協定で解決済み」として協議に応じようとしていない。
同協定は、被害者が日本国に対して有する賠償請求権が、日韓請求権協定第2条第1項(完全かつ最終的に解決条項)によって消滅したか否かに関する日韓両国間の解釈上の紛争がある場合は、同協定第3条が定めた手続き(①まず外交上の経路を通じて解決する、②それができなかった場合には仲裁委員会をつくる)に沿って解決することとなっており、両国に解釈上の紛争があることは明らかであることから、日本政府は協議に応ずる条約上の義務があると考えられる。
札幌市は一昨年、韓国の大田広域市と姉妹都市提携を締結し、日韓親善に努めているところであるが、政府間レベルでは昨年の日韓首脳会談以降、日韓関係は冷却している。
日韓関係に関して本市議会は、1992年6月に「従軍慰安婦問題に対する公正な施策を求める意見書」を全会一致で可決し、「わが国の真摯な対応が内外から求められている」として、政府に「誠意ある施策を速やかに講ずることを強く要望」した。また、2008年11月に「『慰安婦』問題に関する意見書」を可決し、政府と国会に「被害者の尊厳回復」と「誠実な対応」を求めた経緯がある。
韓国人原爆被爆者の問題は、裁判等を通して被爆者援護法の同等適用について改善されてきてはいるものの、根本的解決は図られていない。朝鮮人被爆者は広島で5万人、長崎で2万人とされており、全被爆者の約1割である。2008年に韓国憲法裁判所に訴えた被爆者2,745人のうち203人が亡くなっており、この問題の解決も急がれる。
よって、政府においては、韓国政府との協議に応じ、韓国人原爆被爆者問題と「慰安婦」問題の解決に関する協議を早急に開始することを強く要望する。

以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。

平成24年(2012年)3月28日
札幌市議会
(提出先)内閣総理大臣、総務大臣、外務大臣
(提出者)民主党・市民連合、公明党、日本共産党、市民ネットワーク北海道
及び市政改革クラブ所属議員全員

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