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アメリカ:「慰安婦」記念碑に日本政府が撤去要求

2012/05/24

アメリカ、ニュージャージー州パリセイズパーク市に2年前に設置された日本軍「慰安婦」記念碑に対し、日本総領事館が撤去を要求したことに、現地では驚きと怒りが広がっています。

ニューヨーク、マンハッタンに隣接するパリセイズパーク市は、韓国系市民が多い町で、2010年、市内の公園に、日本軍「慰安婦」被害者にささげる小さな記念碑がつくられました。

パリセイズパーク市長によれば、今年5月1日、在ニューヨーク日本総領事らが市長を訪問しました。総領事は市長となごやかにあいさつを交わしたあと、いきなり1993年の「河野談話」(日本政府が公式に責任を認め謝罪した文書)と、小泉首相が2001年に「慰安婦」被害者にあてて送った公式謝罪の手紙を読み上げて、碑の撤去を要求したとのことです。

総領事はさらに、碑を撤去する交換条件として、日本政府は桜の木と図書の寄贈を行う用意があると申し出たそうです。副市長はこの申し出に「耳を疑った」と話しています。

さらに5月6日、自民党の議員4人らが市長を訪問し、「慰安婦」問題はでっちあげられた嘘だと主張して、碑の撤去を求めたとのことです。

日本総領事館は、桜の木と図書の寄贈を交換条件にしたことについては、否定しています。

日本軍「慰安婦」問題に対して誠実に責任ある対応をとるどころか、記念碑の撤去さえ要求する日本政府のかたくなな態度に、アメリカの市民の間では反発が高まっており、他の都市でも記念碑を設置しようという動きが高まっています。

【報道】
New York Times (5/18) In New Jersey, Memorial for ‘Comfort Women’ Deepens Old Animosity共同「旧日本軍の慰安婦碑、米で争点に 撤去要請に市側反発」

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