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名古屋高裁:10歳少女の告訴能力を認定

2012/07/04

名古屋高裁金沢支部は7月3日、性暴力被害にあった少女が事件当時幼かったことを理由に告訴能力を認めず、強制わいせつ罪による起訴を無効とした一審の地裁判決を破棄し、審理を地裁に差し戻しました。

この事件は、母親の交際相手であった被告男性が、長女(当時15歳)および次女(当時10歳11カ月)に対して性暴力を繰り返し行っていたものです。2012年1月に富山地裁は、2011年4~6月にかけて起きた長女に対する準強姦2件、および次女(当時10歳11カ月)に対する強制わいせつ1件を認定し、被告男性に懲役13年、母親に同ほう助罪などで懲役4年の判決を下しました。しかし、祖母が告訴人となった次女に対する強制わいせつ事件1件については、事件当時の幼い年齢等を理由に公訴棄却とし、検察側と弁護側の双方が控訴していました。

名古屋高裁の伊藤新一郎裁判長は、告訴能力の判断基準として、犯罪被害を理解して捜査機関に申告し、犯人の処罰を求める意思がああることとしました。そして、被害少女が当時から年齢相応の理解力と判断力を備えていたこと、被告に重い罰を与えてほしいと検察官に述べており、被害感情を抱き処罰を求める意思があったと判断、告訴能力はあるとしました。

被害者が幼い子どもであったり、知的障害がある場合、証言の信ぴょう性や告訴能力が裁判で否定されたり、捜査や裁判の過程で二次被害を受けてしまうこともあります。こうした被害者の権利を保護するため、司法面接の導入を含む、司法対応の見直しが求められています。

●報道朝日(7/3)10歳女児の告訴能力、一転認定 高裁、わいせつ事件で
●関連情報富山地裁:「幼い」理由に女児の性暴力事件告訴能力を否定(2012-03-16)

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