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神奈川県警集団セクハラ事件:「立件せず」方針見直しか

2012/08/02

男性警察官4人が女性警察官に対して集団でセクシュアルハラスメントを行っていた事件について、神奈川県警は7月27日、当初「立件しない」としていた説明を変更、今後、立件も視野に捜査を行うと述べました。

この事件は、神奈川県警大和署に勤務していた男性警察官4人が、後輩の20歳代の女性警察官に対し、集団でセクシュアルハラスメントをしていたものです。報道によれば、4人は今年3月上旬、勤務時間外に、大和市内のカラオケボックスに女性を呼びつけたうえ、刑事2課の巡査部長(当時)が「服を脱げ」と指示。さらに、女性に無理やりキスした交通2課の巡査部長の服と交換するように強要していました。一緒に室内にいた警部補と巡査長は、直接的に加害行為を行ってはいないものの、2人を止めることもしませんでした。

事件は、女性が今年4月、異動先の職場で上司に報告したことから発覚しました。女性は「仕事に影響があると思い従ったが、後輩のためにも許してはいけない」と話しているとのことです。

神奈川県警は、当初、4人の行為がセクシャルハラスメントにあたるとして処分する方針を示したものの、女性が被害届を出していないことや、「着替えさせたりキスしたことは強制わいせつや暴行などの構成要件には該当しない」と判断したとして、刑事事件としては立件しないと述べていました。しかし事件が報道された7月27日夜になって、説明を修正。「予断を持たずに立件の可否を判断したい」として、今後、女性警察官に被害届を出すかどうか、再度、意向を確認するとしています。

強制わいせつ罪や強姦罪は、立件の要件として被害者による告訴が必要な親告罪とされています。しかし、職場内の権力関係を背景におきる性暴力・セクシュアルハラスメントにおいて、被害者に被害届を出さないよう圧力がかけられることは、容易に想像できます。最近では、「男女共同参画会議・女性に対する暴力に関する専門調査会」が、性暴力根絶に向けた対策のひとつとして、強姦罪の非親告罪化を含む提言をまとめています。警察官による性暴力事件が後を絶たないこと、当初、立件しないと判断したことは、性暴力事件を適切に捜査・立件する警察の能力に疑いを招くものであり、今後、神奈川県警が厳正な対応をとることができるかどうかが注目されます。

【報道】
日本経済新聞(7/27)警官セクハラ、立件検討 神奈川県警が方針修正
毎日新聞( 7/27)<神奈川県警>同僚女性警官に脱衣・キス強要 「立件せず」

【参考】
男女共同参画会議・女性に対する暴力に関する専門調査会の提言

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