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日本軍「慰安婦」問題:野田総理への要請に団体賛同しました(署名9/15まで)

2012/09/10

アジア女性資料センターは下記の野田総理宛要請に団体賛同しました。9月15日まで、団体・個人の賛同を募っています。

メール ianfu-kaiketsu@freeml.com
または FAX 03-3202-4634
で団体名または個人名をお寄せください。

こちらもあわせてご協力ください。
●関西ネットワークの橋下市長あて抗議文(9/15まで)
●アジア女性資料センターのアピール

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内閣総理大臣 野田佳彦 様

要請書

政府は「河野談話」見直し要求に明確に反論し
日本軍「慰安婦」問題の解決を一刻も早くはかってください

 石原東京都知事、橋下大阪市長、安倍元首相をはじめ「河野談話」に対する事実誤認に基づく見直し要求が声高に叫ばれる中、野田首相は8月27日、「国民の生活が第一」の外山齋参議院議員の質問に対し、「強制連行した事実を文書では確認できないし、日本側の証言はなかったが、いわゆる従軍慰安婦への聞き取りを含めて談話ができた」と答弁しました。河野談話の踏襲を明らかにした上での答弁ですが、これでは河野談話見直しの主張に対する明確な反論になりえず、諸外国から口先だけの踏襲と見なされても仕方ありません。また、松原仁国家公安委員長に至っては、河野談話について「政府が発見した資料には軍や官憲による強制連行を直接示す記述は見当たらなかったことも踏まえ、閣僚間で議論すべきだと提案することを考えたい」と、閣内で見直しを提起する考えまで述べました。

 首相は、河野談話見直し論の根拠とされている二重三重の誤謬に明確に反論し、閣僚の不穏当な発言に対し断固たる措置をとるべきです。

 河野談話見直し論の最大の根拠は、「強制連行を直接示す文書資料はなかった、従って強制連行はなかった、強制連行さえなければ『慰安婦』問題に対して国の責任を認める必要はない」というものです。これは、日本政府や日本軍の公文書に強制を命じたり、強制した事実を書いたりする可能性はほとんどありえないという事実を意図的に隠蔽した上で、日本軍「慰安婦」問題の本質を「連行」方法に収斂させて貶めようとする、極めて恣意的な策略です。
 日本軍「慰安婦」問題の本質は、女性たちが「意に反して」軍人の性のはけ口となることを強要され、日本国の戦争遂行の道具にされたということです。これは、当時の日本刑法や国際法から見ても、現在の人権感覚に照らしても、極めて反人道的、反人権的な国家犯罪です。そして、この事実を示す文書資料は、アメリカ戦時情報局心理作戦班の「日本人捕虜審問報告」第49号(1944年10月1日)、極東軍事裁判(東京裁判)証拠資料及び判決、「日本占領下蘭領東インドにおけるオランダ人女性に対する強制売春に関するオランダ政府所蔵文書調査報告」(1994年1月)など国内外にあり、軍人の証言も数多くあります。
 首相は、「日本側の証言はなかった」と答弁していますが、政府が行った聞き取り調査の日本側証言を公表せずに、このような答弁をしても説得力を持ちません。まずどのような日本側証言を調査したのか明らかにすべきです。また、政府の第一次、二次調査以後にも市民や研究者によって新たな資料が発見されており、これは政府の文書資料調査および日本側証言調査の不十分さを証明するものに他なりません。政府は、その不十分さを認め、さらなる真相究明、事実確認のために再調査をおこなうべきです。

 河野談話見直し論は、被害女性の証言を虚偽と決めつけ、証拠として価値のないものと一方的に断定しています。これも大きな間違いです。河野談話を出すに当たって、被害女性の証言を聴取した担当官らが「真実であることに間違いない」と感じたように、日本の司法も、被害女性たちの証言を真実であると認定しています。日本の司法に提起された10件の裁判中、8件で被害事実が認定されている事実を、政府は軽んじてはなりません。

 首相は、昨年12月の日韓首脳会談で、李明博大統領から「慰安婦」問題の優先解決を迫られ、「知恵を絞る」と返答しました。日本軍「慰安婦」問題解決のためには、被害女性たちに受け入れられる方法を見いだすために知恵を絞らなければなりません。そして、被害女性たちが望んでいることは、明確な事実認定と国家の責任認定、これに基づく公式謝罪と賠償であることは、これまでに何度も明らかにされてきました。にもかかわらず首相は、解決のために最も必要とされている事実認識の部分で不明瞭な答弁をした上で、相変わらず「(日韓請求権協定が締結された)1965年に法的には決着がついている」と繰り返しました。これでは、到底解決策を見いだすことはできず、日韓関係を修復することもできません。

 以上を踏まえ、以下のように要請します。
 ―政府は、河野談話踏襲の意思をより明確に世界に伝え、これを貶めようとする言説に対して断固たる反論と措置をとること。
 ―被害女性たちの生存中に、彼女たちが望む解決をはかること。
 ―さらなる真相究明調査をおこない、広く事実を知らせ、教育すること。

2012年 9月 18日
日本軍「慰安婦」問題解決全国行動2010
共同代表 梁澄子 花房俊雄

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