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【橋下発言】緊急院内集会アピール

2013/05/23

集会で採択されたアピールです。

女性の人権を尊重する政治を!

橋下発言に抗議する緊急院内集会 アピール

橋下大阪市長・日本維新の会共同代表は、5月13日、「慰安婦制度が必要なのは誰だってわかる」「海兵隊の性的エネルギーを解消するためにもっと風俗業を活用するよう進言した」等と発言しました。国内外からの大きな批判を受けても、橋下氏は表面的な弁明を繰り返すのみで、いまだに発言を撤回せず、責任を取ろうともしていません。

 橋下氏の一連の発言は、筆舌に尽くし難い日々を生き延び、今なおPTSDに苦しむ日本軍「慰安婦」被害女性や、今日も起きている性暴力の被害者たちの尊厳を著しく傷つけるものです。戦争を遂行するためには、女性を性欲処理の道具として利用することもやむをえない、という考えが、自治体の首長であり政党の代表である人物の口から平然と表明されるとは、心底おそろしいことです。このような人物が政治に携わり続けることは、とうてい受け入れられません。

しかし、その後も西村眞悟議員による「韓国人」女性を侮蔑する発言など、加害責任の否定と根深い差別意識にもとづく公人の人権否定発言が続いており、決して橋下氏ひとりの問題ではないことが明らかになっています。とりわけ、橋下氏の発言について明確に批判しないばかりか、自ら「従軍慰安婦に狭義の強制の証拠はない」と述べたり、「河野談話」の見直しを示唆するなど、「慰安婦」問題に関する日本政府の責任を否認してきた安倍晋三首相の責任は厳しく追及されるべきです。

橋下氏の発言は、また、「慰安婦」問題の責任否定が、今日における女性の人権軽視と深くつながっている事実をあらためて突きつけています。沖縄の海兵隊による性暴力を、「男性兵士の性的エネルギーの解消」の問題としか捉えずに「風俗の活用」を主張する橋下氏は、占領地における軍人の性暴力対策として「慰安所」を設置した旧日本軍とまさに発想を同じくしています。これは、男性の性欲はコントロールできないという神話にもとづいていますが、こうした考え方のもとで、男性の性暴力は容認される一方、女性は、自らは性的欲求をもたず、男性の欲求に応えるべき存在とみなされてきました。このような性的偏見を維持したまま「風俗」を男性の性的欲求のはけ口として活用すべきと主張することは、「風俗」ではたらく女性たちに対する性暴力を容認することになりかねず、女性を「“貞操”を守るべき女性」と「“性の防波堤”となるべき女性」とに分断し、差別することにもつながります。性的自由はすべての人がもつ普遍的な権利であり、私たちは、外国人女性や「風俗」に従事する女性たちに対する差別的扱いを決して認めません。

これまでも公人による差別発言がくりかえされ、そのたびに容認されてきました。もう、このようなことを許すわけにはいきません。私たちは橋下市長に対し、発言の撤回と謝罪、辞職により、多くの人々を傷つけ侮辱した責任をとるよう求めます。また、日本政府に対し、国連人権条約にもとづいて、橋下氏ら公人による人権否定発言に対して明確に反論し、差別と偏見を是正する責務を果たすように求めます。そして「慰安婦」制度が日本軍による戦争犯罪であった事実を認め、被害者に公式謝罪と個人賠償を行って問題解決にあたるよう求めます。この事実を教科書にも記述し、次世代への教育にも努めなければなりません。

最後に、日本軍による性暴力や、沖縄における米軍の性暴力の頻発は、戦争と軍事化が、女性に対する暴力と密接な関係にあることを示しています。私たちは、戦争ができる国をめざす憲法改悪を拒否し、あらゆる女性と男性の人権が実現される政治を求めます。

2013年5月22日
「女性の人権を尊重する政治を!橋下発言に抗議する緊急院内集会」参加者一同

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