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米軍の性暴力被害者ジェーンさんに、米法廷で勝訴判決

2013/11/22

2002年に横須賀で米兵にレイプ被害を受けたキャサリン・ジェーン・フィッシャーさんが、アメリカの法廷で加害者相手に勝利をかちとりました。
★フィッシャーさんは、これまで「ジェーン」という仮名を使っていましたが、最近、本名を公表されました。

フィッシャーさんは被害を受けてすぐに警察に届け出たにもかかわらず、日本の警察も、米軍も、加害者のブローク・T・ディーンズを不起訴処分としました。(神奈川県警の対応についてフィッシャーさんが起こした裁判については、こちらを参照)
このため、フィッシャーさんは自分で加害者を相手取って民事裁判を起こし、2005年に勝訴判決を勝ち取りましたが、米軍が公判中に被告のディーンズを除隊・帰国させてしまい、居場所がわからなくなってしまったため、判決が命じた300万円の損害賠償は支払われないままになっていました。

フィッシャーさんはそれでもあきらめることなく、ディーンズがアメリカに帰国後も性暴力事件を起こして服役していた事実と居場所を突き止め、2012年に、アメリカの法律事務所の助けを得て、ディーンズを提訴しました。

ウィスコンシン州ミルウォーキー郡巡回裁判所は、10月15日、日本の裁判所が下したフィッシャーさんの勝訴判決が有効であることを認め、その執行を命じました。判決執行について原告・被告間の調停が行われ、フィッシャーさんは、調停を長引かせるよりも勝利判決を得ることが重要であると考えて、300万円の支払い執行を求めるかわりに、象徴的な金額として1ドルを受け取ることで和解しました。

今回の裁判を通して、性暴力犯罪を犯した米軍人がいかに処罰を免れているか、生々しい証言も明らかにされました。ディーンズは、民事裁判が進行中であるにもかかわらず、原告に通告せずに日本を出国した事情について、米海軍の弁護士に「とにかく出国しろ」と指示されたことを明らかにし、「自分は命令に従っただけ。これで日本におけるすべてのことは片がついたと思った」と述べました。

日米地位協定は、事件・事故を起こした米兵を日本が訴追し裁く権利を制限しています。さらに、日本が第一次裁判権を有するケースであっても、日本の司法当局が積極的に訴追をしないという密約が交わされていたことも明らかになっています。

昨日の記者会見でフィッシャーさんは、「12年間正義を追及し続け、ようやくこの判決を得られたことが嬉しい。これは私ひとりだけでなく、米軍の性暴力に遭ったすべての女性たちにとっての勝利。日米両政府は、加害者をかくまって被害者の基本的権利を無視している。日本政府は今からでも私の事件について調査し補償を行うとともに、性暴力被害者への支援を行ってほしい」と話しました。

●ジェーンさん(フィッシャーさん)の事件および裁判に関するこれまでの詳細についてはこちら
●米軍による性暴力の問題についてはこちら

【報道】
●沖縄タイムズ(11/22)「軍が出国を命令」加害米兵が裁判所に証言

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