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チリ:妊娠中絶を合法とする法案に大統領が署名

2015/02/06

1月31日、妊娠中絶が全面的に禁止されてきたチリで、ミシェル・バチェレ大統領が、レイプにより妊娠した場合、および女性に生命の危険がある場合、また胎児が生存不可能の場合には中絶を合法とする法案を議会に提出した。法案では、妊娠から12週(14歳以下である場合は18週)までの中絶を合法としている。

国連はチリ政府に対し、中絶の違法化をやめるよう勧告を出しており、2014年6月には勧告の受け入れの一部として今回の法制度改革を発表。しかし議会は繰り返し反対を示していた。

妊娠中絶はピノチェト政権期間の1989年にチリで全面的に禁止された。現在、ラテンアメリカ諸国のうちチリの他、ドミニカ共和国、ニカラグア、ホンジュラスおよびエルサルバドルで中絶は全面的に違法である。

エルサルバドルでは、2007年、流産のため中絶措置を施した18歳の女性が懲役30年の刑に処される事件が生じ、アムネスティ・インターナショナルや中絶の合法化に取り組む女性たちが支援する活動を始めた。1996年まで、レイプによる妊娠や、女性に生命の危険がある場合、胎児の生命が維持できない場合に限り中絶を合法としてきた同国だが、1997年から全面的禁止としたため法的処罰の対象となる女性が増加している。

現在、エルサルバドルでは病院で出産する女性の36%が9歳から18歳だという。適切な性教育を行われず、避妊についての十分な知識もないままに中絶が全面的に禁止とされることで、若い世代が大きなリスクにさらされている。妊娠中に死亡した10代のうち57%が自殺である。またレイプなどを原因とする望まない妊娠をした女性が、秘密裏に中絶をしようと薬物を服用し身体を危険にさらすケースもあり、深刻な問題となっている。

【報道】
●NEW YORK DAILY NEWS(2/1)Chile to end its ban on abortion, will allow procedure in cases of rape
●LIVE WIRE(1/15)Defying El Salvador’s total ban on abortion

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