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「真っ当な移民政策を求める院内集会」を開催

2015/06/05

2015年6月4日、今国会に上程されている、「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律案」(技能実習生法案)、「国家戦略特別区域及び構造改革特別区域法」(特区法案)の改定案、そして「出入国管理及び難民認定法」(入管法)について、移住連労働者と連帯する全国ネットワーク(移住連)が主催し、アジア女性資料センターも共催団体となった「真っ当な移民政策を求める院内集会」が開催されました。

外国人労働者を使い捨て、さらに酷い人権侵害を招く可能性のある大変危険な3つの法案に反対の声を上げるべく開かれたこの集会には、平日の昼間にも関わらず160人以上の参加がありました。
外国人技能実習生権利ネットワークの旗手明さんは、外国人技能実習制度の拡大に関する問題点を指摘し、これまでの人権侵害を無視したまま、制度拡大はありえないと話しました。

一橋大学の伊藤るりさんは、特区における外国人家事労働者受け入れの問題点を解説しました。男性の家事参加が非常に少ない日本において法案はジェンダー規範を更に強化する可能性があること、「家庭」という密室性の高い場所での就労は人権侵害に曝されやすいこと、受け入れ調整機関がないために人身取引のリスクが非常に高いことを指摘。アジア女性資料センターが移住連と共に発表した声明に触れながら、ILO家事労働者条約未批准のまま日本が受け入れを開始する危険性について話しました。

移住連入管法対策会議の佐藤信行さんは、3月6日に政府が提出した、入管法改定案の問題を解説し、日本で働き学ぶ外国人の生存権を一瞬にして奪うものだと批判しました。

リレーアピールでは、師岡康子さん(外国人人権法連絡会)、飯田勝泰さん(東京労働安全衛生センター)、中島由美子さん(全国一般なんぶ)、指宿昭一さん(外国人技能実習生弁護士連絡会)、鈴木雅子さん(全国難民弁護団連絡会議)らが、外国人労働者を取り巻く制度の問題点を活動の現場から指摘しました。それぞれのお話からはこれまで既に起こり続けてきた深刻な人権侵害の実態がわかります。

日本に20年以上暮らす移住女性のレニー・トレンティーノさんは、新しい移民政策を考えるとき、すでにいる移民のおかれた現状を考えるべきだと話しました。移住女性は職場や地域で多くの貢献をしているにも関わらず、なにか問題が起こればすぐに疑われるという発言からは、移住女性を見下し人間の尊厳を奪う日本社会の現実がわかります。レニーさんは川崎事件にも触れ、日本ではすでに暴力の被害者が出ており、それを放置したまま新たな移民政策を推進することは許されないと訴えました。

移住連事務局長の鳥井一平さんは、政治は投票することができない人たちのためになる政策も当然やらなければならないと述べ、この社会の問題の根源は移民政策を入管法でやってきたことであると批判しました。これらの法案が「移民政策ではない」と強調している安倍政権ですが、日本には移民政策はすでにあったことを直視しなければなりません。今後の法案審議に注目しながら、移民政策の中身を問い、声を上げるべきときにはしっかりと反対の声を上げていくつもりであるとまとめました。

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