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ベトナム:人権活動家らが約30人の警察官により暴行

2015/06/15

2015年6月2日、ベトナムのハイフォンで、人権活動家であるファム・ タン・ギエン(Pham Thanh Nghien)さんとその家族、そしてベトナム人ブロガーネットワーク(Network of Vietnamese Bloggers)のメンバーらが、警察により暴行されるという事件が起きた。

ギエンさんは、これまでインターネットやラジオ出演などを通して、ベトナム政府による人権侵害の問題を繰り返し訴え、人権に関わるさまざまな問題に市民参加を呼びかけ、領土問題や汚職問題などにも取り組んできた。

この事件は、6月2日の日中、ギエンさんとギエンさんの家族3人、そしてベトナム人ブロガーネットワークのメンバー3人が、ギエンさんの自宅前で30人以上の私服警官によって襲われたというもの。

全国で展開する人権啓発キャンペーンについて話し合うために、ハノイからギエンさんに会いに来ていたブロガーネットワークのメンバーらは、彼女の自宅の門の前で大人数の私服警官に囲まれた。家の中にいたギエンさんは外の様子に気が付き2人の姉妹をつれて外へ出た。外で仲間を囲んでいたのは日常的にギエンさんを監視している警察官含む約30人の男性警官たちだったとギエンさん自身が確
認している。ギエンさんは警察官らに近づくと突然顔を殴られ、地面に倒された。つれて出た姉妹たちも顔を殴られ、その後、警察官らはギエンさんと仲間を引き離し、ギエンさんに暴行を続けたという。

ギエンさんは2010年1月に、国家に反対するプロパガンダを広めたことして有罪となり4年の禁固刑および3年の執行猶予が言い渡されている。この判決が下る前には裁判の開始を待つために1年以上も刑務所に収容されていた。

人権活動家を保護する活動に取り組む国際財団の”Front Line Defenders”は、今回の暴力は彼女がこれまで行ってきた合法であり平和的な人権活動と無関係ではないだろうと深刻な懸念を表明している。また今後もベトナム国内で表現の自由を規制するために暴力が用いられる危険性についても懸念を表明している。

【報道】
●Front Line Defenders “Vietnam – Human rights defender Pham Thanh Nghien attacked by police” 2015/6/8
“Front Line Defenders”のサイトでは、ベトナム首相宛に彼女の安全を確保するため必要なすべての措置をとること、この事件に関する調査を早急に行い結果を公表すること、ベトナムの人権活動家が報復措置を恐れることなく、合法である人権擁護活動が続けられることを補償することなどを求めた手紙を送るアクションを展開中。詳細は下記リンクから。
【TAKE ACTION NOW!】Vietnam – Human rights defender Pham Thanh Nghien attacked by police

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