ニュース

【書籍紹介】「上野千鶴子に挑む」

2011/09/22
上野千鶴子に挑む 上野千鶴子に挑む
(2011/03/11)
千田 有紀

商品詳細を見る

上野の「教え子」16人が、彼女の研究成果を解題することにより、フェミニズムの到達地点、現在位置を示すと共に、今後の課題を提示し、フェミニズムの可能性を示す好著だ。多彩な上野の言説を咀嚼し、全貌を示してくれる、なんともコストパフォーマンスの良い一冊。上野は「エコ・フェミ論争」「アグネス論争」等を展開し、「従軍慰安婦」問題と向き合い、近年では女性の「おひとりさま」論を提起した。それらの多くが論議を呼び、我々自身に内在する意識を明確に言語化してきた功績は、アカデミズムの枠を超えていた。「学問の世界は闘技場」「理論は乗り越えられるべき」との上野の姿勢は、「教え子」らの「解題論文」に対し、「応答」の形で繰り広げられ、巻末の千田によるインタビューでも貫かれる。上野・千田のやり取りが研究者の楽屋落ちの話に堕することなく、知的興奮を読者に与えるのも二者の腕か。(渡辺照子)

資料館