アドボカシー・キャンペーン

太田・森議員発言に対する抗議声明

2003/07/22

太田誠一議員の辞職および森元首相の公式謝罪を求めます

 6月26日、全国私立幼稚園連合会九州地区公開討論会で、太田誠一衆議院議員が行った「集団レイプをする人はまだ元気がある、正常に近い」という発言には、すでにさまざまな批判がなされており、本人も釈明を繰り返しています。しかし私たちは、氏の釈明、また同席していた他の議員やメディア関係者による太田氏を擁護する発言から判断する限り,この発言に含まれる深刻な問題はいまだに十分に認識されていないと考えています。

 第一に、太田議員本人、他の自民党議員、司会をしていた田原総一郎氏までが「レイプは許されない」と言いながらも、「あれはジョークだった」と弁解・擁護を続けています。被害女性の受ける深刻な精神的肉体的な苦しみに対する想像力と、望まない性関係は人権侵害であるという認識が、根本的に欠けているのです。

 さらに私たちは、この発言がなされた文脈そのものの問題性を指摘したいと思います。太田議員は問題の発言の釈明として、「男性に配偶者を求める覇気が欠けていることが少子化の原因」「それほど強く異性を求めているのであれば、きちんと結婚する相手を求めるべきだ」と述べています。つまり太田議員は、男女の性関係には、レイプするくらいの男性の「覇気」、すなわち女性への支配が必要であり、男女の関係は婚姻という形以外にはあってはならないと考えていることになります。しかし、
どちらかが相手を支配し、圧迫するような性関係は、結婚しようとすまいと、女性にとっては性暴力以外のなにものでもありません。

 このような認識は、女性が自分の体について、自己決定権を持つという「性と生殖に対する権利」を無視した少子化議論にもつながっています。この討論会で森元首相は、「女性が自由を謳歌するために子どもを産まない」「子どもを産んだ女性に年金をあげるのが本来の福祉」「結婚しないのは、なにか不自然な考え方が頭にあるから」等の発言を行っています。二人の発言からは、女性の「わがまま」と、女性を従わせられない男性の「覇気」の欠如が少子化の原因であり、生殖とは、婚姻関係を通じ
た男性による女性の身体への支配によってなされるものという考えが見て取れます。また、「子どもをつくらない男性」についてはふれず、女性の責任だけを問うている部分も、極めて非論理的片務的、独善的な論理だと思われます。このように、少子化対策のために女性を男性や国家の支配に従わせようとすることは、レイプの容認とまったく同様に、見過ごしにできない考え方です。

 私たちは、太田議員の集団レイプ容認発言とこれに対する周囲の弁明や擁護、そして太田議員および森元首相による、女性の権利を無視した少子化対策に関わる発言に抗議し、太田議員の辞任と、森議員の公式謝罪を求めます。

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