ユースグループ

【報告】ユースグループ企画 女性差別撤廃条約選択議定書ってなぁに?

2019/12/18

2019年9月28日、アジア女性資料センターにて、ユースグループ企画勉強会「女性差別撤廃条約選択議定書ってなぁに?」を開催した。

女性差別撤廃条約は、1979年12月18日に第34回国連総会で採択された条約である。「固定化された男女役割分担観念」の変革を基本理念とし、「法の下の平等」だけでなく、「事実上の平等」を目指し、「世界女性の憲法」といわれている。日本は1985年に女性差別撤廃条約に批准したが、現在でも日本社会には性差別がなくなっていない。それはなぜなのか。そのキーとなるのが女性差別撤廃条約選択議定書である。選択議定書とは女性差別撤廃条約の実効性を強化するための付属の条約である。1999年第54回国連総会で採択され、現在112か国が締約している。しかし、日本は未批准のままである。今回の勉強会では、長年性に基づく差別問題に取り組んできた、女性差別撤廃条約実現アクション共同代表である柚木康子さんをゲストに招いてお話を聞き、ユース世代が語り合った。

今回はユースグループメンバー含む10人が参加した。勉強会ではまず、女性差別撤廃条約と選択議定書に関する基本知識をおさえ、その上で、柚木さんがこれまで行ってきた活動に関するお話を聞いた。

柚木さんは活動を通して感じた日本政府や労働現場、司法の女性差別に対する問題意識の低さを指摘した。また、「条約と選択議定書は車の両輪です。一輪車ではうまく回らない。私は労働に関わってきたので、選択議定書の個人通報制度はとても重要だと思っています。」と、選択議定書に対する自身の思いを述べた。

選択議定書批准によるメリットは以下の4つが挙げられる。

①日本は人権を尊重する国であることを世界に向けて発信できること。

②条約の実効性が確保され男女共同参画社会の実現につながること。

③日本から推薦したCEDAW委員の活動のバックアップになること。

CEDAWの委員は全く補助が出ないわけではないが、ほぼボランティアに近い状態だ。

④司法判断に条約の精神が活かされるようになること。

よく司法の独立が侵されると言われるが、委員会は法的拘束力があるわけではなく、意見を言う立場だ。むしろ批准によって司法は強化され、女性差別への司法の理解を助けることができるのである。

最後に柚木さんは「現在、議会へのロビー活動や、教育に利用してもらえるようにリーフレットを作成し販売をしています。またSNSを通して世の中に選択議定書を広めていければ、とも思っています。オリンピックまでに、もしくは選択議定書採択20周年が終わってしまう前に、日本が選択議定書を批准してくれるよう、頑張って活動していきます。」と締めくくった。

お話を終えて、参加者とディスカッションを行った。ユース世代だからこそ感じている、現在の日本の教育に対する疑問、情報を得る事や社会運動の難しさ、現代日本社会の危うさを柚木さんにぶつけた。これらの疑問に対し柚木さんは、「現在の日本の教育は、日本の言う事だけにイエスと答えてくれる人材を作るための教育だと思います。社会運動に関しては、例えば韓国は軍事政権と闘いつつ運動をしてきた、という力量が国民にあります。考えて行動していると思います。今の香港もそうですよね。日本人にはその力量がないです。そろそろ動いてもいい頃だと思います。やばいですよね。」と答え、参加者と考えを深めた。

 

村田佐希子(ユースグループ)

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