アドボカシー・キャンペーン

ジェンダー暴力と闘う16日間キャンペーン2010

2010/11/15
ジェンダー暴力と闘う16日間キャンペーン2010 11/25(木)-12/10(金)

 軍事主義と女性に対する暴力 ジェンダー暴力と闘う16日間キャンペーンとは: 「ジェンダー暴力と闘う16日間キャンペーン」は、1991年、「女性のグローバル・リーダーシップ・センター」(CWGL)が開催した世界各地の女性活動家会議から始まりました。女性に対する暴力撤廃国際デイの11月25日と、国際人権デイの12月10日をつなぐ16日間は、女性に対する暴力が人権侵害であることを象徴的に示しています。この期間に、世界各地で女性に対する暴力の撤廃にとりくむ数多くの団体や個人がさまざまな取り組みをおこなうことで、社会に問題をうったえ、グローバルな連帯を強めます。
→16日間キャンペーンについてもっと知る(グローバルキャンペーンのページへ)
今年のテーマは「軍事主義と女性に対する暴力」 20周年となる今年の16日間キャンペーンの国際テーマは「暴力の構造:軍事主義と女性に対する暴力の共通点を明らかにする」と決まりました。
 暴力の連鎖を生む構造をつくりだす原因のひとつが軍事主義です。私たちは軍事主義を、恐怖の文化をつくりだし、暴力の行使を支え、争いを軍事的介入で解決し、経済的・政治的利益を得ようとすることだと定義しています。軍事主義は、女性と社会全体にとっての真の安全と安心に重大な影響を及ぼすものです。紛争時の強かんは、住民や女性たちの恐怖を煽り、屈辱を与える戦術として用いられてきました。戦争が起きていないときでも、軍事主義の影響の下で、ドメスティックバイオレンスや、軍内部における性暴力被害などが起きています。直接紛争を抱えていない国々の政府も、福祉や教育、保健、雇用、開発など、本当の意味での安全・安心を守るための予算を削り、膨大な軍事費を支出しています。
 軍事主義から抜け出すには、これまで優先されてきた男らしさ、力によるグローバルな支配構造を捨て去り、戦時性暴力の加害者を処罰することが必要です。軍事主義を克服することは、真の意味での安全保障についてより多様なアイデアを生み出し、より多くの女性たちが社会に参加し、信頼と協働の関係に基づく世界を創ることになるのです。
→今年のテーマについてもっと知る(Nihongo(Japanese)を選んでください)

日本国内で開かれる関連イベント・アクション 11/25(木) 日本軍「慰安婦」問題の立法解決を求める国際署名 提出行動 11/26(金)~12月11日(土) アジアを見つめて 植民地と富山妙子の画家人生 ~日韓併合100周年企画~ 絵画展関連企画:11/27(土)ピアノとトーク 12/11(土)映像とトーク
12/3(金)18:30~ ナルシサ・クラベリアさんのお話を聞く集い 12/4(土) 2010年やより賞・やよりジャーナリスト賞贈呈式 12/5(日) 女性国際戦犯法廷10周年記念シンポジウム(※参加申し込みは締め切りました)
12/6(月)今も続く戦時性暴力 ~アフガニスタン、ダルフール、カシミールの現状~ 12/7(火)19:00~ 初来日証言集会 中国・桂林の「慰安婦」被害者・韋紹蘭さん ~日本兵を父にもつ息子・羅善学さんとともに 12/8(水))戦争の加害と向き合う~フィリピンから来日するロラとスタッフを迎えて ナルシサ・クラベリアさんのお話
→世界各地の関連イベント・アクション(16日間キャンペーン国際サイトへ)




安保理決議1325号から10年:国際社会のあゆみ
2010年は、2000年10月に国連安全保障理事会決議1325号が採択されてから10年目となります。1325号決議は、武力紛争下の女性に対する暴力の防止や、平和構築における女性の役割等に関する最も重要な国際合意です。さらに2008年には1820号決議が、2009年には1888号決議が採択されましたが、実現はまだ遠い状況です。日本の政府と市民社会にも、国内行動計画の策定など、いっそうの努力が求められています。

安保理1325号決議(アジア女性資料センター日本語訳)

国連:紛争下性暴力に関する安保理事会決議1820号が成立(2008-06-25) 国連安保理:武力紛争下の性暴力に関する決議1888号を採択(2009-10-02) フィリピン:安保理決議1325&1880国内行動計画を策定(2010-03-26) 元安保理議長「日本は積極的な行動を」(2010-09-24)




米軍基地周辺の性暴力
憲法9条で非戦・非武装を定めているにも関わらず、日本政府は日米安保条約の下でアメリカに基地を提供しており、米兵とその家族約9万4千人が駐留しています。米軍基地を抱える地域では、騒音、汚染、事故、そして性暴力を含む駐留米兵による犯罪が、大きな負担となってきました。日米政府「再発防止」を約束してきましたが、今日まで性暴力は止むことなく続いています。加害者の多くは処罰を受けておらず、被害者への補償・救済もほとんどなされていません。
「米軍の性暴力を終わりにしよう」キャンペーンページへ




日本軍性奴隷制問題 アジア太平洋戦争中、日本軍の侵略・占領地域では、数多くの女性・少女たちが「慰安所」で性サービスを強要されました。特に日本の植民地支配下にあった朝鮮半島からは数多くの女性・少女が日本軍占領地域に動員され、戦後も故郷に帰れなかった女性たちも多くいます。
1990年代初め、アジア太平洋地域で多くのサバイバー女性たちが60年間の沈黙を破って声をあげました。当初、国家責任を否定していた日本政府は、「慰安婦」の徴募と「慰安所」の運営に軍が関与していたことを示す証拠が発見されたため、1993年に「河野談話」を発表して公式謝罪を行いました。しかし被害者への個人補償を行う法的責任については認めていません。
アジア女性資料センターでは、姉妹団体であるwam(女たちの戦争と平和資料館)やVAWW-NETジャパンをはじめとする国内外の数多くの団体と協力しながら、真相糾明、公式謝罪、国家補償、加害者処罰、歴史的事実の継承と教育を実現するために活動しています。
wam(女たちの戦争と平和資料館) VAWW-NETジャパン 「慰安婦」決議に応え、今こそ真の解決を!




女性自衛官性暴力裁判
軍隊組織の内部における人権侵害、女性に対する暴力は、多くの国で問題になっています。日本政府の軍事組織である自衛隊の内部でも、性暴力を含む人権侵害が起きています。アジア女性資料センターでは、2007年に女性自衛官が提訴した国家賠償請求裁判の支援を行いました。
女性自衛官人権裁判のページへ 防衛省が自衛隊セクハラ調査結果を公表(2008-04-25)




これまでのとりくみ
日本軍性奴隷制を裁く 女性国際戦犯法廷(2000年12月)
1990年代になって、アジア太平洋の各地で、日本軍政奴隷制度のサバイバー女性たちが、60年間の沈黙をやぶり証言を始めました。日本国家の責任を問う裁判もいくつも提訴されましたが、日本政府はいまだに法的責任を認めていません。これまで戦時・性暴力はほとんど処罰されず、東京裁判でも「慰安婦」制度は戦争犯罪として裁かれませんでした。しかし1990年代以降、戦時性暴力が女性に対する戦争犯罪として国際法で裁かれるようになってきました。女性国際戦犯法廷は、国際法にもとづいて日本軍性奴隷制を裁く民衆法廷として、2000年12月7日~12日に東京で開催されました。
VAWW-NETジャパン「女性国際戦犯法廷」のページへ
1000人の女性にノーベル平和賞を(2004-2005)
1人のヒーローよりも草の根で活動する女性たちの貢献に光をあてようと、2005年ノーベル平和賞に世界各地で行動する1,000人の女性たちをノミネートしたグローバルキャンペーン。アジア女性資料センターは協賛団体として、日本国内の候補者のノミネートに協力しました。
キャンペーンの概要
ノミネート

9条世界会議女性パネル(2008年5月4日)
グローバルな視点で憲法9条の意味を見直す「9条世界会議」の一環として、女性たちの取り組みに焦点をあてるパネルを開催しました。
当日配布資料
追加資料1
追加資料2




さらに知りたい人へ
アジア女性資料センターでは、機関誌『女たちの21世紀』をはじめ、軍事主義とジェンダーに関するさまざまな資料を発行しています。以下に主なものをご紹介します。

強かんの許可証――ビルマ軍政によるシャン州における戦時下性暴力の行使 ビルマ軍事政権による少数民族の女性たちに対する性暴力について、シャン人権基金・シャン女性アクションネットワークがまとめた英語レポートを翻訳。日本語仮訳版を公開しています。
 » 日本語仮訳版へ


今、はじめて語られる歴史――クメール・ルージュ時代の性犯罪・女性に対する暴力 これまで黙して語られることのなかったカンボジアのポル・ポト政権下の性暴力・女性に対する暴力の実像を初めて調査した報告書。
 » 報告書へ


「女たちの21世紀」 No.62【特集】朝鮮強制併合100年――脱植民地主義のフェミニズムをさぐる No.53【特集】どうする?日本の刑事司法システム――ここを変えなきゃ、性暴力はなくならない! No.50【特集】難民――強いられた移動とジェンダー No.49【特集】[小特集] 再考・米軍基地と性暴力 No.35【特集】イラク侵略・占領―世界の女性たちの声 No.33【特集】反戦を超えて-『平和』を創るフェミニストたち No.30【特集】拡大する原理主義勢力と女性たちの抵抗-アフガニスタンと世界の女性たちの声 No.28【特集】戦争国家への道―私たちの抵抗 No.26【特集】国際法と女性―私たちはどう活用するか No.24【特集】女性への暴力―日常から武力紛争まで

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