アドボカシー・キャンペーン

岩国基地所属米兵による集団レイプ事件に関する不起訴決定に関する抗議声明

2007/11/27

10 月14日に広島市中区で岩国基地所属の海兵隊員4人が女性をレイプした事件について、広島地方検察庁は11月15日、不起訴を決定しました。事件の公正な裁きを希望してこの間の経過を注視してきた私たちは、この決定に重大な疑問と懸念を表明し、広島地方検察庁および広島県警察本部に対し、不起訴処分取り消しと市民に対する説明責任を果たすよう要求します。

当初、日米地位協定に基づいて身柄引き渡しを要求するとしていた広島県警が、その後方針を転換し、身柄引き渡しを要求しないまま任意捜査とした経過を見るに、この間に性暴力の性質を適正に考慮し、犯罪性を立証するための十分な捜査が行われたのか、疑念を持たざるを得ません。加害米兵4人は、「合意の上」と主張していると報道されていますが、被害女性は、事件直後にはっきりと集団レイプの被害を訴え、告訴を行っています。女性は車の中で知り合ったばかりの外国人男性4人に囲まれ、助けを求めることのできない孤立した状況でした。強盗行為も行われています。このような被害女性の置かれた状況を考慮したとき、「状況にあいまいな点がある」として身柄を要求せず任意捜査にとどめた広島県警の判断、犯罪性はないとした検察の判断には、重大な疑念を抱かざるを得ません。

私たちがこうした懸念を覚えるのは、これまでにも、米軍基地所属米兵による性暴力事件の多くが適正な処罰を受けずにきたという事実があるからです。日米地位協定を盾に、多くの加害米兵がいかなる処罰も免れてきました。私たちはさらに、日本の警察・検察当局が、性暴力の適切な捜査と起訴を怠ってきたことが、こうした受け容れがたい不処罰の背景にあることを指摘したいと思います。2002年に在日外国人の女性が横須賀基地所属の米兵にレイプ被害を受けたケースでは、今回の広島で起きた事件と同様に、被害者が直後に警察に通報し告訴を行ったにもかかわらず、検察庁は理由を明らかにしないままに起訴を見送りました。この判断に不審を覚えた被害女性は、その後、民事訴訟で勝訴しています。現在、この女性は、事件を扱った神奈川県警の捜査が、性暴力被害者への配慮を欠く不適切なものであったとして、国家賠償請求を起こしています。

広島地方検察庁は、「本件の事案の性質」を理由として、不起訴とした根拠の説明を拒みましたが、被害者のプライバシーに配慮しながらも、説明責任を果たすことは可能なはずです。市民に対する説明責任が果たされないまま、このような凶悪犯罪を犯した米兵が処罰を免れるとすれば、日本の司法の信頼性を大きく損ない、将来にわたって、女性の人権保障に重大な影響を及ぼすことになります。私たちは、広島地方検察庁および広島県警察本部が、この疑念に応え、不起訴処分を取り消して刑事裁判事案として取り扱うこと、および事件処理に関する説明責任を果たすように要求します。

アジア女性資料センター

2007年11月27日に、37団体・364個人(匿名31人を含む)を、広島地方検察庁および広島県警察本部宛に送付しました。

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