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兼松男女賃金差別裁判:公正な判決を求める要請

2008/01/04

総合商社兼松における男女賃金差別を女性労働者が訴えた裁判の、高裁判決が1月31日に決まりました。東京地裁の一審判決では、男女差別があることを認めながら、「違憲ではあるが違法ではない」として、救済を否定しました。高裁において正当な判決がなされるよう求める要請書を裁判所に届けるキャンペーンにご参加ください。以下の要請に賛同される方は、ysakai@diana.dti.ne.jp(@を半角にしてください)へ氏名・肩書き(職業等)を添え、至急送ってください。

 総合商社兼松の男女賃金差別を糺す判決を求める要請書

 貴裁判所は、兼松男女賃金差別事件について、2008年1月31日午後4時半を判決期日として指定しましたが、以下のとおり要請します。

 東京地裁判決は、兼松における賃金格差は男女差別によって生じていることを認定しながら、その差別は憲法には反するが違法ではないとして、差別是正を訴える女性労働者の権利を全面的に否定しました。

 しかし、原審・控訴審を通じて、兼松においては、男女の仕事は広範囲にわたって重なり合い、男女が同一・同等・同価値の労働に従事し、積む経験や知識技能の蓄積においても異なるところはないことが立証されてきました。また企業側が主張する転勤の可能性についても、男性社員で転勤を経験しない社員が多数おり、転勤によって積む経験や知識技能に男女の賃金格差を説明できるような違いなど全くないこともきわめて明白であることが示されました。そして、兼松においては、過去一貫して男女別賃金テーブルが採用され、これは、過去秋田相互銀行事件などで労働基準法4条に反して違法無効と判断されてきた賃金制度と全く同じもので、なおかつ過去においては労働基準監督署からも労基法違反の指摘を受けた事実もあります。

 そもそも、労働基準法4条は、女性を一人の人間として生きるにふさわしく経済的地位を向上させ、そのために賃金の男女差別をなくすことが男女平等の要であるとの認識のもとに、特別に賃金についての女性に対する差別を禁止したものであり、その趣旨を汲むならば、間違っても東京地裁判決のように、憲法には反するが違法ではないなどという判断はあってはならないものです。また、賃金及
び雇用平等は、すでに70年代において国際的にも確立された法原則であり、総合商社である兼松が、海外では許容されない男女差別を母国において堂々と行うことを違法でないとして免責することについても、到底容認できないことです。そして、日本が批准しているILO100号条約の定めるところからしても、男女の仕事の異なる部分について、間違っても性中立的な職務評価の基準に基づかない
で、仕事の違いを理由に格差を違法ではないと判断することも許されないはずです。

 兼松における男女賃金差別は、あらゆる角度からみて、これを違法として厳しく糾弾されるべきものです。差別を訴える当事者は、この問題をILOにも情報提供をしており、国際社会も判決の行方を注目しています。女性たちが差別の是正を求めながら働き続けてきた言語に絶する努力に応え、その主張の正当性を全面的に容認する判決をなされるよう強く要請するものです。

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