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政府、難民の間接受け入れを検討

2007/11/28

難民、間接受け入れ検討 法務省など 流入国の負担緩和
2007年11月27日03時10分http://www.asahi.com/politics/update/1126/TKY200711260299.html

 祖国を逃れて他国の難民キャンプなどで暮らす難民を、さらに別の国が受け入れる「第三国定住」制度について、外務省や法務省など関係省庁が導入の可能性を検討し始めた。難民流入国の負担軽減を通じて難民・人道支援分野での日本の貢献を示すのが狙い。高村外相と鳩山法相がグテーレス国連難民高等弁務官と27日に東京で会談し、取り組みの状況を伝える見通しだ。関係省庁は難民への生活支援など、受け入れに伴う諸課題について検討を本格化させる。

 検討会議は9月に始まり、厚労省、文科省などの担当者も参加。第三国定住制度がある英国の政府当局者から、法整備や実施に伴う課題を聞き取るなどした。今後は、難民に対する行政サービスを提供する地方自治体への支援や、地域社会が難民を受け入れる態勢づくりも焦点になりそうだ。

 日本は81年に難民条約に加入した。だが認定に時間がかかることや、第三国を経由した入国者に仮滞在を認めない制約などで、06年の難民認定者数は34人と、米国(約2万3000人)、フランス(約1万1000人)など他の先進国よりも際だって少ない。

 日本は国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)への拠出額では世界2位。だが、難民受け入れでも国力に見合った貢献を求める声が近年、国際社会で強まり、「カネを出すだけでは評価されない時代になった」(関係省庁の幹部)という認識が政府内で広がっていた。

 UNHCRによると世界の難民は06年末で990万人。02年以来減っていたが、イラク情勢の悪化やスーダン・ダルフール地方の紛争などで06年に上昇に転じた。

 ミャンマー(ビルマ)と国境を接するタイでは約14万人のミャンマー難民が暮らし、その多くが20年にわたって難民キャンプでの生活を強いられるなど、逃れた先での生活環境悪化も深刻化。そのため国連は難民が別の国に移住する第三国定住制度を、本国帰還、保護国での定住に加えた解決策の一つに据える。今まで制度を導入したのは16カ国。06年の受け入れ数は米国が約4万1000人と最多で、オーストラリア、カナダと続く。

 だが、日本語教育や就労支援などの態勢を整えずに難民を受け入れれば、「日本国内で弱者となり、第二の難民になるおそれがある」(UNHCR関係者)との指摘があるほか、警察当局などには治安への悪影響を懸念する声もある。

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